
長編
信じられないこと。
匿名 2020年8月23日
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これは、僕が実際に体験した話だ。
先言っとくが、これはオカルトや幽霊系、UMAとかの話ではない。
ある一つの不思議体験である。
当時僕は小学2年生程だったと思う。
ある日の事、僕はいつもの通り小学校に通い、いつも通り帰った。
でも一ついつもと違う事がある。
とてもワクワクしていたのだ。
何故かと言うと、僕にはいとこがいる。
そのいとこは、毎週金曜日の夜8時くらいからお父さんを省く家族3人で体育館でバレーボールをしに行くのが習慣だった。
そしてもし僕も親からの許可を得れたら、一緒に行っても良い事になっていた。
けどバレーボールをするのはあくまでいとこのお母さんなのだ。いわゆるママさんバレー。
その息子と娘の2人と僕、合わせて3人で体育館の隅や舞台の上で遊ぶのが最高に楽しかったのだ。
しかも小学2年生からする夜の8時は、何か子供にしか分からないゾクゾク感があったのだろう。
それ故僕は、とてもそれが好きだった。
とは言いつつ、お母さんは過保護で厳しい人だった為に、頑なに許可をくれないのだ。
しかしその日は、「言ってもいいよ」という母からの許可が出たのだ。
なので、その日はワクワクしていた訳だ。
家に着き宿題やらゲームやらで時間を潰し、かれこれ7時30分に至った。
お母さんが言う。「○○○(いとこのお母さんのあだ名)さんきたで〜!」
僕はウキウキしながら外に出る。
いとこの車が止まっている。
あぁ、これだ。
もうここで充分ワクワクする。
そんな気持ちを握りしめ、車に乗った。
バレーボールができる体育館は、幾つかある。
そのママさんバレーボールチームの本拠地からは、近所に3つの小学校があった。
そして、僕の家から1番近い小学校がその日の練習場だった。
後もう直ぐで着く。
丁度T字路に差し当たる。
この信号が青になり、左に曲がったらもう学校の門に入る!
抑えきれない楽しみが溢れ出て、車の中でいとこ達で騒いでいた。
そして信号が赤から青へと変わった。
車はゆっくりと左に曲がろうとする。
が、しかし。
僕はとんでもないものを見た。
この世で見たことのないものを見た。
それは、あまりにも大きすぎる月だった。
開いた口が塞がらなかった。
よく聞く、スーパームーンとかの比じゃない。
分かりやすく説明すると、バスケットボールを眉間から10センチほど離したところのバスケットボールの大きさだった。
まあこれを聞いて誰も信じる訳ないだろう。
正直僕もこの話を覚えているが、自分を疑っている。
でも冷静に考えれば色々不可解な点がある。
一つめは、まずその月に気づいているのは僕だけ。
そんなバカでかい月、車に乗ってる残りのいとこも見えてるに決まってる。
けど誰1人「え!?」とか「めっちゃ大きくない!?」とか言っていた記憶はない。
その時点でおかしい。
二つ目は、車の中で驚くとかの問題じゃなく、そんな月が地球から見れたらテレビは勿論、日本中が大騒ぎ。
だから僕は、夢だったのでは?と考えている。
まあ普通はそうなるだろう。
だがなんと、夢とは思い難いという事を思わされる理由もある。
まず、僕はバカでかい月を見た訳だ。
なので、クレーターがハッキリ見えた。
ここがおかしい。
なぜ資料で月を見た事もない小学2年生の子供が、クレーターをくっきり夢で表せるのか不思議でたまらなかった。
夢で見るとしたら、あくまで「地上で見える月」がドアップされると僕は思う。
地上から見る月は、クレーターも黒いモヤモヤに見える。
なので、クレーターはくっきり映らずモヤモヤがついた月がデカく見える、これが知識の少ない小学2年生が最低限見られる夢だと思う。
そして、これが現実だったのではと思わせる事がもう一つある。
それはその月を見た後の記憶や視線、夢とは違う触感や感覚を全て覚えているのだ。
まずその日は途中で、いとこの娘の方が、友達を連れてきた。
なので、合計4人で遊んだ。
確か、体育館の二階のロビーでドッジボールをした。
いとこが連れてきた友達の鼻にボールが直撃して泣いていた事まで覚えている。
もしかしたらこの日とは別の、金曜日の記憶かもしれないが。
しかし最近テレビで、その当時見たデカい月の正体を明確にするような事が報道されていた。
僕はその番組を見て確信に迫った。
そのバカでかい月は、アリス症候群によるものだと。
アリス症候群というのは、色んな物やある物の一部が小さくなったり大きくなったりして見えるという症状らしい。
発熱時によく起こすらしいのだが、これが発症する歳は、おおよそ1歳〜8歳ほどだという。
小学2年生、つまり僕は当時7歳である。
最近はもうこれやろなって思ってる。
まあけど男だし、ロマンは捨てたくないから、宇宙人の仕業なんて勝手に思っている。
はやくあの時のことを明確にしたい。
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