
長編
事故物件
匿名 4日前
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ていた。
デリケートな内容だからか、丁寧に答えるY先輩が印象的だった。
ある程度、納得したのかアルバイト君からの質問が無くなった。
Y先輩と俺も会話するでなく、欠伸をしながらFMに耳を傾けていたんだが、最後のアルバイト君の質問で俺は少し背筋がゾッとした。
「ってか、清掃中に壁をノックしてたのってSOSだったんじゃ?」
「てっきり、静かにしろって意味で叩いていたんだと」
「もしかしたら、助けていれたかも知れませんね、その人」
残念そうに言うアルバイト君にY先輩が答える。
「それは無いやろ、黒ズミあったし死後4週程度は経ってる報告受けてるからな」
「聞き間違いやろ」
俺とアルバイト君は、目を見合わせた。
確かに聞いた、コンコンと壁を叩く音。
それも何回も。
間違いでは無いと、二人共が口には出さなかったが、きっと同じ風に考えていた。
車内の会話が途切れた所で、Y先輩が
口を開いた。
「でも、もしホンマなんやったら」
「早く見つけてくれって事やったんやろな」
「なんでです?」
「やー、黒ズミが壁に腕を伸ばした形で出来てたからな」
「不思議なもんやなー」
確かに・・・
壁際に近い所に、先輩が言った形で黒ズミはあった。
今、言われて初めて気が付き寒気がした。
そうこうしている内に会社に到着。
モヤモヤした気持ちが残ったが、仕事が積み重なっていたので、すぐに掻き消された。
アルバイト君はタイムカードを押して帰宅、俺と先輩は事務処理に取り掛かった。
PCと睨めっこ。
ぶっちゃけ、この作業が苦手な俺。
PC画面を見てると、すぐ目の奥が痛くなる。
同僚からは
事務処理をしている時の俺は鬼の様な顔しとるw
眉間のシワがヤバたんw
とか良く言われていた。
事務処理も終わりかけた時、先輩が缶コーヒーを買ってきてくれた。
よっぽど疲れた顔していたんだろう、
「ウワッ」って驚かれた。
そして業務終了。
更衣室に入り、制服を脱ぎ捨てた。
ほとんどの社員が退社した後だったので、御構い無しにパンツ一枚になって扇風機の前で貰ったコーヒーを飲んでいたら誰か入ってきた。
Y先輩だった。
「お疲れ〜」
「お疲れ様です、今日は役立てずすんませんでした」
コーヒーを飲み干し、着替えようと立ち上がりロッカーに向かおうとしたら
「おいっ!」
って怒鳴られたんだ。
いきなり
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- 怖かったです。ぷーさん
- 作りばなしわないと思いました!ママちゃん
- なるへそンゴね〜真実を知る者
- いいね!シグナル
- 読んでて面白かったです。うんこりん
- 文章は上手だし、複線や描写は大切なんだろうけれど、だらだら長すぎる。ありなし
- 文章は上手だし、複線や描写は大切なんだろうけれど、だらだら長すぎる。ありなし
- 怖いというより興味深い話だった キツイ仕事だね菜々氏