
中編
走る男
まー 3日前
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この話は母が自分を産む前に体験した実体験です。
当時の母はデパートの中にある化粧品会社に勤めていました。
通勤には電車を使わず、車で高速道路を使っていたそうです。理由としては朝の通勤ラッシュが嫌だったからだそうです。
その日は珍しく夜遅くまで作業があり退勤するのが、22時過ぎていたそうです。
ヘトヘトになりながらも、いつも通り高速道路で帰宅しました。
「早く家のベッドで寝たい、上司の愚痴、次の休み何しよう。」
そんなことを考えながら帰っていました。
いつもと変わらない風景。いつもと同じ道。
しばらく車を走らせた時に タッタッタッ という奇妙な音が聞こえるのです。
当時の車はラジオしか流せず、しかも母はラジオを聞かない人です。なのでこのような音は車の異常がない限りでないはずです。
「なんだろう、この音は。」
その音はだんだん大きくなっていきました。
ダダダダダダダダダダダダダダ
その音は車からではなく自分の右側から聞こえる事に気がついた母は、ふと右側視線を送りました。
母の目に映ったのは男の横顔でした。
母はすぐさま視線を前方に戻しました。その時母は「自分の顔が窓に写ってただけか。それを疲れてるから見間違えて男の横顔に見えたのか。」
そう自分を納得させて心を落ち着かせました。
しかし、ダダダダダダ という音は変わらず右側から聞こえていました。
そこで母はもう一度視線を右側にやりました。
そこには、やはり男の顔がありました。しかも先程は横顔でしたが、男はこちらを不気味な笑顔を浮かべながら見ていました。母はその男としっかり目が合ってしまいました。
口角は上がり、目尻は下がっていて、歯を見せて笑っていたそうです。しかしその目は全く喜びや嬉しいといった感情がなかったと言っていました。
その瞬間に母は見間違えではなかった事を確信すると同時に、一気に恐怖心が体の底から溢れ出してきました。
そして謎の音の正体もわかりました。
男は車と並走していたのです。高速道路を走る車と同じスピードで。
手はあまり動かしておらず、それに比例するぐらいの足音だったそうです。
それらを把握すると母は一切右を見ずにただ前だけを見て運転しました。
「どっか行って、お願いします。私は何もしていないです。」
ずっと心の中で繰り返し、繰り返し唱えていたそうです。
すると、男の足音が徐々に消えていきました。
完全に音がし
後日談:
- 後日談 この話を母は今までに3回しました。 1回目は友達に。その話を友達の部屋でしました。 その友達の部屋にはロフトがあり、ベッドの下は勉強机という形でした。 その話をしている最中にベッドの底が抜け机が壊れたそうです。幸いそのときは誰もベッドや机にいなかったので怪我人は出なかったのですが、とても怖かったそうです。 2回目は私にしました。 「怖い話して。」と母に言うと、この話をされました。すごく怖かったのが鮮明に覚えています。 その話を聞き終わった後にサッカーの練習に行ったところ、普通じゃありえない筋肉が肉離れすると言う奇妙な怪我をして3ヶ月間歩けなかったです。 3回目は私と、私の友達にしました。 その日はサッカーの試合で県外のチームとしていました。午後からの試合だったので帰りが夜になり、すぐ帰りたいという気持ちで、渋々高速道路に乗りました。その高速道路はあの体験した高速道路ではありませんでしたが、自分が「あの話してよ」と母に言い、一緒に乗ってた友達にその話をしました。 次の日、その友達と私は揃って謎の高熱を出しました。 この話は母から他人に伝わった時に不幸なことが起きます
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