新着 短編
岡山の漁村

父が小学生の頃、岡山の漁村(かなりの田舎)に住んでいたらしい。当時はいかにも昭和のクソガキといった子供だった父は、同年代の悪ガキ同士でつるんでイタズラやら野球やらをしていたという。
とある夏の日、お盆の頃。その日父はいつもの友達数名と堤防近くの海で飛び込んだり、泳いだりして遊んでいた。
ひとしきり遊んだ後、昼前にはそろそろ帰るかという流れになった。しかし内1人(A君)だけは、まだ泳ぐと言ってどうしても聞かなかったという。その日はウルトラマンの放送日だったということもあり、A君を残し各々家に帰った。
夕方前くらいだったか、まだ海で遊んでいるはずの彼の親から父の家に電話がかかってきた。
「息子が帰ってきていない」
一緒に遊んでいた父たちは事情を聞かれ、大人たちが彼を探している間家でひたすら知らせを待ち続けた。あいつはどうなったんだ、無事なのか、と頭がぐるぐるとしていたその時にテレビで流れていたウルトラマンは、その出来事のお陰で苦い記憶だ、と今でも父は言っている。
結果を言えば、一夜明けてA君は遺体で見つかった。ちょうど泳いでいた堤防のあたりで。おそらく溺死だった。
父はその後、葬式でA君の弟にお前たちのせいだと責められ心底辛い思いをしたという。
私にこの話をした時、父は最後に言った。
「だけどな」
A君が見つかったところと同じ場所で昔同じ死に方をした人がいた。それは死んだ彼の叔父にあたる人物だったという。
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