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2012年 夜行バス事件
長編

2012年 夜行バス事件

Joe Steel 2015年2月12日
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これは2012年夏、横浜から鳥取に行く夜行バスで起きた事件の話。 当時の彼女(現嫁)の経験談のため、うる覚えだが、そこは容赦してもらいたい。ちなみに彼女はこの事件がトラウマで、この事件後、長距離バスは2度と利用していない。 詳細を知っている人がいたら教えてほしいが、LINEのトーク履歴を漁っても当時の日付が探せなかった。当時、その話に衝撃を受けて、「日付+事故」でググったが何もヒットしなかった事は覚えている。 その頃は、長距離バスの居眠り事故が世間で話題になっていて、ニュースで連日取り上げられていた。記憶に残っている人も多いと思う。 当時、俺も彼女も、事故に関してはそんなに神経質に感じておらず、「一応気を付けてね~」くらいにしか話していなかった。 その事件は朝方、もう目的地に差し掛かっている高速道路上で起きた。 長距離バスには通常、運転手が2人いて交代しながら運転をするのだが、ここではメインドライバーを「運ちゃんA」サブドライバーを「運ちゃんB」とする。(ちなみに当時1人体制が多く、それが社会問題化していたと記憶している) ひとりの客が運ちゃんAに声をかけた。会話は聞こえなかったが、どうやらその客はトイレに誰かが籠りっぱなしで、いつまで経っても出てこないので、利用できない事を訴えていたようだ。 そこでバスは最寄りのSAに立ち寄ることにした。運ちゃんAも不審に思っていたのだろう。なぜならトイレに籠っていたのは運ちゃんBで、かなり長い時間戻ってこなかったのだ。 SAに付き、運ちゃんAはトイレのドアをノックし、声をかけた。だが返事はない。もしかしたら寝ているのかもしれない。すぐに運ちゃんAはドアのカギ(コインで回るやつ)を開け、中に入っていった。 案の定、運ちゃんBはトイレの中にいたようだ。しかし居眠りが原因で出てこないわけではなかった。 運ちゃんBはトイレの中で意識を失って倒れていたのだ。運ちゃんAは運ちゃんBを抱え込み、トイレから引きずり出してきた。連日バスの事故がニュースで話題になっているのに、タイムリーだな。このドライバー大丈夫かよ、と一抹の不安を感じた。 次の瞬間、その奇妙な事件は起きた。 後ろから抱えられた体勢のまま、運ちゃんBの口から大量の血が吐き出されたのだ。 彼女が言うには、その勢いはすさまじく、吐血が勢いよく地面に飛び散り、その血は近くに座っていた彼女の足元まで及んだらしい。 車内は女性客の悲鳴が響き渡り、一時騒然となった。 運ちゃんAは慌てながらも、運ちゃんBをその場に残し、会社に連絡をとり指示を仰いでいた。車内は半分パニックになり、女性は目を覆うようにうずくまり、男性は野次馬のように運ちゃん達を取り囲んでいた。 そこに一人の男が名乗り出た。こいつがまた奇妙な偶然であった。 「私は医大の研修医です。私でよろしければその方を診ましょう。」 たまたま居合わせた医者(のたまご)。まるで昔のドラマみたいな展開だが、事実そんな男が偶然いたのだ。この男を研修医Cと呼ぶことにする。 特に反論する者もおらず、研修医Cは血まみれの運ちゃんBにさわり、眼孔や口内を調べ始めた。そんな奇妙な状況を、私の彼女や他の客は周囲で見守っていた。 そこで、彼らはさらに奇妙な状況を目にすることになる。 騒然な状況の車内、地面には大量の血。全員が血だまりから距離を取り、その中心にうずくまる研修医Cと運ちゃんB。まるで殺人現場のような状況にも関わらず、その近くの席で寝たまま動かない女性客がいた。 不自然に思った他の客が、大丈夫かと声をかけようとしたその時、その女性の異常な状態に気が付いた。 その女性は倒したシートに寝ているのだが、体は不自然に反り返り、目と口が見開いたまま固まっていたのだった。足は思い切り曲りシートを挟みこむように固まっていて、その足には運ちゃんBの血が付着していた。 静かになりかけていた社内がどよめき始めた。研修医Cは冷静な態度でその女性に近づき、腕をつかみ、脈を確認した。そしてこう言った。 「この人は死んでいます。」 再び響き渡る悲鳴、わけのわからない状況に車内は混乱していた。 彼女もこの後の事はあまりよく覚えていないとの事であった。 運ちゃんAは、乗客に後ろの方の席に移動して待機するように指示をし、俺の彼女も指示通りに移動し、事の経過を見守っていた。他の客と一緒だったが、恐怖のせいか会話はほとんどなかったという。その間、研修医Cや運ちゃんAは前の方で何やら会話したり電話を掛けたりしていた。 その時、また奇妙な事が起きた。 倒れていた運ちゃんBが意識を取り戻し、起き上がったのだ。しかも何故か大量に吐血したというにも関わらずケロッとした感じで、普通に話したり動いたりしていたらしい。 ほどなくして、警察が来て、続いてバス会社の代理バスが到着した。 彼女は代理バスの方へ移動するよう促され外に出た。運ちゃん達や研修医Cは警察と事情聴取していたようだが、彼女は特に警察から何か聞かれるでもなく、代理バスに乗せられ、すぐに出発したらしい。警察が来てから、あっという間にその場から退避させられたため、そのあとの事は全く分からない。 俺はその事を電話で聞いて、グーグルで調べたが、その日の事は一切ニュースにすらなってなかった。 以上、また聞きなので状況とか違うところもあるかもしれない。 俺が経験したわけではないが、俺の嫁はこんな作り話ができるほど器用ではないし、嘘もついているとは思えない。 誰か詳細を知っている人がいたら、教えてほしい。俺自身、この後どうなったのか知りたいです。 必要であれば、日時やバス会社など、過去メールを漁って調べますので。

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