
中編
いつもと違うお化け屋敷
匿名 1日前
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私が小学6年生のときの体験。
私が住んでいる地域(山の中にある街)では、毎年恒例の夏祭りがあった。
その年も、いつものように神社に出店が並んだが、なぜか神社の丘の下の日陰のほうにあるスペースにお化け屋敷が立っていた。
例年だったら、もっと目立つところにお化け屋敷の小屋を建てるはずなのに・・。
お化け屋敷の業者がくじ引きか何かでハズレの場所を選ばされたのかな?と思っていた。
私はお化け屋敷が好きだし、ほぼ毎年見てきたので今年も行ってみることにした。
一緒に来ていた友達は、用事で帰ったのでお化け屋敷に来たのは私一人だった。
お化け屋敷は、丘の下の日陰の場所にあるせいか暗くていい味を出していた。
しかも去年までと違う業者なのか、装飾が凝っていて普通に遊園地にあってもおかしくないくらいの雰囲気を醸し出していた。
お化け屋敷の料金表を見ると、結構安かった。
しかも小学生以下の女の子は途中で逃げたりせずに最後まで進むと初回のみ「1000円分の金券」が貰えるという。
私はそれだけ怖いお化け屋敷なのかと少しビビったが、6年生だし今まで何度かお化け屋敷には行ったので試してみることにした。
お化け屋敷で受付をすると、入り口のスタッフから簡単な説明があった。
このお化け屋敷では、手を後ろで紐で縛られてまわることになっているという。
手を縛るのは、「何者かに拐われた主人公」という設定と縛られていることで恐怖感を増す演出によるものらしい。
説明を聞いてみてやめることも可能だった。
だが、金券欲しさと、腰抜けだと自分で思いたくないので挑戦してみることにした。
・・・
入り口で、若い男性スタッフに後ろ手に縛られてしまう私。
男性スタッフに触られるのは手だけなのでそれ程おかしくないが、それでも異性に縛られるのって何か恥ずかしい・・
中に入ると、迷路のように狭い通路が続いていて、廃墟のような壁や血痕、不気味な効果音など例年のお化け屋敷とは別格だった。
しかも、手を縛られているため余計に恐怖心が増す。
先に進む程、暗くなっていった。
辛うじて壁が見えるくらいで、壁を触って確かめることができないってのがまた少し怖い。
さらに進むと、少し長い通路と、横に穴が空いている壁があった。
私はそれを見て、(ああ、何かが飛び出して来るんだな!)と思った。
穴の形からして、中から妖怪の手か何かが出てくるのは容易に想像できた。
私はゆっくりと穴に近づき、穴の前を通り
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