にこの世を去ったものです。普通の人には見えないものが 娘さんの目に映っている様です。それを私 どもは『霊感』と言っています。娘さんもその霊感を持ち合わせているようです。おそらく 高熱を出した時の事が原因だと思われます。」

私 「力には 強弱有りますが 朋美さんは おそらく 強に近い霊感を持っているのだと思います。それと……朋美さんには何か持病がありませんか?」

母親 「いえ…特になにも…ありません。」

M 「取り合えず 力を押さえる処置を致します。」

母親 「ああ。ああ。ありがとうございます!!」

そうして トモちゃんの 力を押さえる事で話が纏りました。


それから季節が巡り春の訪れを鳥の鳴き声で感じられた時 朋美さんのお母さんから 一本の電話がありました。

あれから 朋美さんは たまに空間や地面を見る事があったらしいのですが 口に出して 何がいるとかは 言わなくなった…と。

それでも 月のウサギさんに会いに行く という言葉は 相変わらず 嬉しそうに話していたそうです。


そして 今 肝臓の具合いが悪く入院しているのだと 疲れきった お母様が話してくれました。

お母様から連絡を受けた その夜。
嬉しそうにニコニコしながら トモちゃんはやって来ました。

私が 「具合はいいの?」と聞くと トモちゃんは黙って頷きました。
朋美 「あと少しで月のウサギさんに会えるんだぁ~」とスキップしながら バイバイと手を振って消えていきました。

時刻は 午前1時32分。

それから 20分後……トモちゃんのお母さんから連絡が入りました。

母親 「朋美が……先程……息を引き取り…ま…した。」と……。

死因は
多臓器不全だったそうです。享年 5歳。

月に行ってウサギに会えたかなぁ?
ねぇ………トモちゃん。


ここまで お読み頂いて下さった方
ありがとうございました。

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