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長編

ハワイの海で見た謎の海洋生物

匿名 1ヶ月前
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随分前に体験した話。心霊という訳ではないが個人的には不思議な出来事だった。長い上に文章下手だけど勘弁してほしい。 家族旅行でハワイに行ったんだが、その時にシースクーターっていうマリンレジャーをしたんだ。 船である程度沖まで出て、まんまスクーターみたいなのに乗って海中を移動できる遊びなんだが、チューブに繋がれたヘルメットみたいなのを被って常時酸素が供給されるから、長時間海中を探索できるんだけど、終わったグループからシースクーター無しで船の周辺を泳げる時間があったから、俺は一人で周辺を泳いでたんだ。 泳ぎには自信があったから、船にあったシュノーケルとフィンを借りてシースクーター組とは反対側方向で少し船から離れた辺りでのんびり泳いでたんだ。 それでふと沖の方を見てみたらさ、大きい球体みたいなのが見えたんだよ。 目を凝らして見ると、魚たちが球体上に集まって巨大なボールみたいになってんだ。 テレビとかで見たことあるかもしれんけど、ベイトボールっていう魚の群れが球体上になって防御態勢を取るって事があるんだ。 俺は大学で海洋生物学を受講してたくらい海の生物が好きだったから、そのベイトボールかな?と思って記念にと少し近づいて見てみる事にしたんだ。 ある程度近づいて見てわかったんだが、そのベイトボールは遠近感で分かりづらかったけど、かなり大きくて多分人間が10人は入れるくらいはあったと思う。 しかも近辺にはそれなりに魚がたくさんいて、その魚たちが吸い込まれるようにそのベイトボールみたいなものに集まっていくんだよ。 で、しばらくそれを見てたらその球体を作ってた魚たちがいきなりバラバラになって四方八方に散っていったんだが、そこに残ってたものを見て「なんだ??」ってなった。 プレデターって映画を見たことある人は分かると思うけど、そのプレデターは透明になる能力持ってるんだ。 その透明になった時になんとなく景色が揺らいで見えるんだけど、正にそんな感じ。 球体の中心にあった場所がなんか景色が揺らいで見えるのよ。 海中だからかなり見えづらかったけど、太陽の光とさっき散った魚たちが後方で動くからギリギリ輪郭のようなもんが見える感じだった。 俺はかなりビビりの自覚はあったんだけども、そんな状況に陥ると素早く動けないんだよな。 というのも透明ななんかがあるように見えただけで、実際にはなにかがいるかは分からなかったのもあるんだが、その後に本気でパニックになる出来事が起きた。 その透明?になって景色が揺らいでる部分に、肌色っぽい巨大な何かがいきなり現れた。 イカとかタコの擬態みたいに本当に急に空間の色が変化してその巨大な生き物が現れたんだが、一言で表すと巨大な肌色のタツノオトシゴみたいな生き物だった。 ポケモンにキングドラっているんだけど、フォルムは本当にあんな感じ。 そいつがゆっくりこっちに近づいて来てるのが分かった。 俺はパニックになったけど、そいつに背を向けて逃げるのは怖かったから船方向に向かって背泳ぎみたいな感じでそいつを見ながら後ろに下がって船に戻ろうとしたんだ。 で、船の位置を確認するためにチラチラ後ろ見ながら泳いでたんだけど、ほんの2.3秒くらいだったと思う。 そいつの方向に視線を戻したらそいつがいなくなっててさ、「えっ!?えっ!?どこいった!?」って思って周りを探してみたら、自分のすぐ下から迫って来てた。 「うおおおおおっ!?」ってパニックになったんだが、そいつが近くに来て分かったけど、でかい。 鯨を縦にしたらあのくらいの大きさだったと予想。 しかも目が人間の目みたいな感じで、そいつの片側しか俺は見れてなかったけど、目が三角形みたいに三方向に3つ付いてた。 その3つの目がじっと俺を見てて、恐怖心はあったけど何となく美しいものを見てるような感覚もあった。 ここまでが覚えてることで、気がついたら俺は船の上で寝かされてた。 どうやら俺がいつまで経っても戻らない家族が心配して探したら船の近くに仰向けになって気絶してたらしく、スタッフが船に上げて人工呼吸しようと思ってた瞬間に目覚めて、周囲は割と騒然としてたらしい。 その後は特に体調不良もなく俺も元気そのものだったから、病院に行くこともなくそのまま陸地に戻った。 家族には見たものをそのまま話したんだが、結局は溺れた時に見た夢だって事になった。 鮮明に覚えてたけど、俺もあれは夢ってことで無理やり結論付けた。 で、これだけならリアルな夢で済ませられたんだが、夢じゃなかったんだ。 2日後に今度はパラセーリングをすることになってたんだが、その日は風が強かったからパラセーリング自体は中止になって、ホテルに一旦戻ることにしたんだ。 行く途中にヨットがたくさん留まってる所を歩いて来たんだが、そこら辺はゴミとかたくさん浮いてて、「うわ、汚いなぁ」とか思いながら見てたらさ、そいつがいたんだよ。 水を動かさずにただ静止してこっちを見てるっていうのかな。 ヨットと岸壁の間の空間にまるで俺を待ち伏せしてたように居てさ、俺はまさに硬直した。 声を出そうにも出なくてさ、しかも視線が外せないんだよ。 多分30秒くらいそいつと見つめ合ってたと思うけど、その間は風の音も周りの車の音も何も聞こえなくなってた感覚は覚えてる。 家族から呼ばれてその時ハッと周りの音が聞こえてきたんだけど、呼ばれてそっちに視線移してすぐにそいつの方を見たらもういなくなってた。 それ以降はもうそいつを見ることもなくて、無事に日本に帰国できた。 ちなみにその後に祟りとかそういうものは無くて、逆に不思議な力が付いたとかも無かった。 俺の見たもの結局何だったんだろうか。 海には不思議な存在が確実にいるとは思う。

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