
短編
滝を埋め尽くすオーブの大群
匿名 2時間前
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2003年9月に家族旅行で北海道に行きました。富良野や美瑛をレンタカーでまわったあと、宿泊場所の白金温泉にあるパークヒルズ美瑛に着きました。まだ日暮れまで少し時間があったので地図で見つけた不動の滝まで歩こうとなり、車を駐車したら男性スタッフがいたので不動の滝へはこっちの方向であってますよね?ときいたら何故か他の場所を勧められたのですが、私たちはそのまま不動の滝へ行くことにしました。
男性スタッフの勧めたくないような対応の他にも、車を降りる際に私のショートブーツのファスナーの金具が足に刺さって出血するという不可解なことがあり、私は少し嫌な予感を感じていました。
歩きだすとそんなに遠くない距離のはずがなかなか滝につきません。
少し薄暗くなってきて焦ります。
まだかなぁ遠くない?といいながら歩いていると林の中にお地蔵さんやらお不動様の石像がいくつも出できました。
私たち家族の他には誰もいなくて私はどんどん不安になってきました。
そして左手に水の音がきこえはじめて、ついに不動の滝が姿を現したのです。
私はスピリチュアルな場所に慣れていないわけではありません。神聖な空気を感じる時もありますし、人一倍怖がりなわけでもないのですが、このときは…正直こわいと思ったんです。
滝にはお地蔵さんがあり、白い旗がいくつも立っていて、たしか御題目が書かれていたと思います。滝の美しさよりもなにか違う異様な空気に気を取られて風景をはっきりを思い出せません。
水を触って、何枚か写真を撮ったら早々に帰ろうとなって…
たぶんみんな早く戻りたいと思ったんだと思います。逃げるように滝を後にした記憶です。誰も怖いと口には出さなかった、でもたぶん全員それを言っちゃいけない気がしてた。
帰り道、もうだいぶ日が落ちて薄暗かったのですが弟が滝で撮ったデジカメの写真を確認していたんです。
そしたらヤバイヤバイって言い出して私もデジカメを覗き込んだら画面いっぱいに白いオーブが何十、何百と重なり合い埋め尽くしていて、その後に辛うじて滝が映っている、というものでした。
私はその場で消して消して!と叫びその写真を削除してしまいました。
証拠の恐ろしい写真は無くなってしまい確認しなおすことも出来ないのですが、あんなに恐ろしいものを私は見たことがありません。
ホテルまでの帰り道は意外にも近くて、行きの長い道のりが嘘のようでした。
後日談:
- その後私たちにおかしなことは起こりませんでした
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