
長編
【実話】八王子の幽霊ホテル
匿名 9時間前
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尽くしているのだ。
「あ、これ人間じゃないかも」
と頭を過った時、一気に鳥肌が立ち、心臓が今まで以上にバクバクと音を立て始めた。
私はあまり恐怖に身体が動かず、男に気付かれない様に、ただ息を殺して心の中で念仏を唱えながらこの状況をやり過ごす事しかできなかった。
じとっとした気配と野太い男の息づかいを感じながら、ずっと布団の中でカタカタと震えていた。
「自分はどうなってしまうんだろう」
そんな恐怖に怯えながら布団の中に隠れている時間はとても長く感じた。
何時間か経った頃、気がつけば男の気配と息づかい感じなくなった。
布団の隙間から光が刺していて外も明るくなったようだった。
恐る恐る起き上がり、バッと足元を見てみるとそこには誰もいなかった。
やはり泥棒だったのかと部屋の中を確認したが、何かを取られた様子もなく、なにより部屋には内側からドアロックがしっかりかかっていた。
「悪い夢でもみたのかな」
と思ったが、あまりにリアルだったので不気味に感じでバタバタと急いで荷物をまとめすぐに部屋をチェックアウトした。
チェックアウトを済ませようとフロントに行くと携帯電話を忘れたことに気がついた。慌てて荷物をまとめたのであの部屋に忘れてきてしまったのだ。
とても気が重かったのだが、
ホテルの人に幽霊が出たから戻りたくないとも言えずにフロントに荷物を預け渋々、部屋に戻ることにした。
部屋の前についた。
「またあの男がいたらどうしよう。」
とても気が重かったが意を決してそっとドアを開けるとおかしな様子もなく、なんの変哲もなかった。
ほっとしてベットの周りを探すと下に落ちていた携帯を見つけ、立ち上がろうとしたその時に...嫌なものを見つけてしまった。
「足跡だ。」
あの男がいたベットのそばのカーペットにおそらく何時間も立っていたのであろう足跡の形の少し黒ずんだくぼみがあった。
「やっぱりいたんだ」
ゾっと背筋が凍り、私は慌ててロビーまで走った。
ここまでが私の数少ない心霊体験の一つだ。しかし受験やその後の引越しなどの忙しさから、暫くそのことをすっかり忘れてしまっていた。
大学入学から半年くらいたった頃、ふとその記憶が蘇ったが八王子のホテルの名前がどうしても思い出せなかった。
気になってしまいネットなどで調べたがそれらしい心霊スポットの情報も見当たらない。
一向に情報が見つからずもう諦めようと
後日談:
- 今でも営業しているホテルなので、名前や特定に繋がりそうな情報は差し控えさせて頂きます。ちなみにそのホテルの口コミや情報も改めて調べましたが、幽霊が出たなどの情報は一切ありませんでした。
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