
中編
夜の校庭で
チャオブー 3日前
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、懐中電灯の明かりを鉄棒がある方にやりました。
その瞬間にAは、右端の一番高い鉄棒に、誰か人がぶら下がっていることに気が付きました。
「ねえ、あそこに誰かいない?」
Aは、帰ろうとしたBとCを呼び止め、手招きしました。BとCがAの元に来て、右端の鉄棒にぶら下がる人を見ました。ぶら下がっている人は背をこちらに向け、ピクリとも動かず、ただ両手でぶら下がっていただけでした。
「本当だ。誰あいつ?」
「...子供?」
それから三人は、鉄棒にぶら下がる人を、目を凝らしてよく見る内に、いくつかおかしな点に気づき始めました。
まず、ぶら下がる人の下半身が、まるでスパッと切断されたように、何も無かったのです。そして上半身は、完全にぶら下がった状態で、地面からほんの数センチしか浮いていませんでした。さらに冬だというのに、何も服を身に着けずに上半身は裸で、毛髪の無いスキンヘッドをし、そして肌の色は、血の気が無く真っ白だったのです。
「...ねえ、あれヤバくね?」
Cが言い、そしてBも、
「うん。とっとと帰ろう」
と言いました。三人は踵を返し、先に懐中電灯を持ったAが潜ろうとしました。その時Cが、
「うわっ!!」
と声を上げました。AとBが何事かとCの方を見ました。Cは、近くのすべり台を見上げたまま、硬直していました。AとBもすべり台を見上げ、Aが懐中電灯ですべり台の踊り場を照らしました。するとそこには、先程の下半身の無い真っ白い肌をした人が、両手を下についてこちらを見下ろしていました。近くで見ても、やはり下半身は無く、その様はまるで、都市伝説のテケテケのようだったそうです。
三人は大慌てで抜け穴を潜り、走って逃げました。三人共抜け穴を潜り抜け、そして逃げる際、後ろから「キャハハハッ」という甲高い笑い声が聞こえたそうです。
その後三人は、特に何事も無く家路につきました。下半身の無い人を懐中電灯で照らした際、顔をはっきりと見たそうですが、それがどんな顔だったかも、今は憶えていませんでした。
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- 狐か狸に化かされたかな?菜々氏