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長編

R・カーソンの亡霊 ウイルス編

しもやん 3日前
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 生物の細胞核には身体のレシピである遺伝子、つまりDNAがぐるぐる巻きになって収納されている。それをもとにリボソームで塩基配列が読み出され、必要なタンパク質が合成されるのだ。ウイルスはこのシステムを悪用する。自身の塩基配列を宿主のそれに滑り込ませてしまえば、放っておいても自分自身が勝手にどんどん合成されていくわけだ。  上記のような特性上、ウイルスは非常に変異しやすい。質より量を重視した戦略を採用した彼らは、高等哺乳類のようなDNA複製エラーを校正する酵素を持っていないのだ(=DNA修復リカーゼ)。複製でミスが起きれば変異はそのままにされ、それが改善につながるならば次世代へ受け継がれる。耐性株はまさに自然淘汰の理論通りに生まれている。  DNA修復酵素がないため、ウイルスは互いに配列を交換することさえある。放射線などで偶然に突然変異が起きるよりもはるかに大規模に遺伝子が変わるため、一度の交換でまったくべつの株が生まれてくることも少なくない。  以上がインフルエンザやコロナの新型が世に出るメカニズムである。  ところで新型が高い致死性を保持しているのは驚くにあたらない。  それらは人類にとって未知の株だ。いっぽう反対に、彼ら新型からしても人類は初めて寄生する相手なのだ。水鳥の項で述べた通り、ウイルスや細菌が宿主と停戦協定を結ぶまでには途方もなく長い時間がかかる。  生まれて間もない新型に勝手などわかるはずがない。3歳児にショットガンを渡して引き金を引かせるようなものだ。おそらく新型ウイルスはわれわれの知らないところで日々、生まれているのだろう。ただ大多数が人類に寄生できるタイプではないというだけのことだ。      *     *     *  中国の水鳥市場で問題なのはマーケット全体の衛生観念の欠如である。  水鳥は種類別にわけられることもなく一緒くたにされ、糞便や臓物、飛び散った血液で店の裏手は目を覆うような状態だ。それまで彼らの体内に封じ込められていたウイルスが解き放たれるのはこのときである。  ここでまずいのは水鳥たちが乱雑に管理されている点である。1つの種ごとに異なるタイプのウイルスが寄生していると単純に仮定しても、乱雑な管理がどのような結果をもたらすかは一目瞭然だろう。  糞便や血液を介して互いにウイルスは混じり合う。自然で起きているよりも急速に遺伝子を交換し合う。新型が矢継ぎ早に生まれ、

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  • 面白いけど怖い話ではないですね。
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  • おもろい話だけどなんでこのサイトで?
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