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中編

夏の思い出

匿名 2日前
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怖くない 34
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なんだよあれ、とみんなが思ったけど口にはできなかった。頭が混乱していた。 目の前には3階に続く階段がある。どうする?4人とも顔を見合わせたが、ここまで来たら引き下がれないのが中学生男子である。 早足で階段を上がり廊下を進むと、3年生が使っていた階のようだった。 3年1組の教室に入り、バクバクする心臓を押さえて懐中電灯を向ける。誰もいないし何も聞こえない。やっと呼吸が落ち着いてきて、さあ出よう、次だ、と踵を返した時。 ぴーーんぽーーーんぱーーんぽーーーん 驚きを通り越してもう3人とも半泣きだった。ちなみにCはガチで泣いてた。 下校時刻となりました 校内に残っている生徒は速やかに下校しましょう ごく普通の女性の声なのがめちゃくちゃ怖かった。こんな時間に誰が、しかも使われてない校舎で、もう頭の中パニックだった。 バカな中学生男子ももう耐えられない。教室を飛び出してわあわあ叫びながら廊下を突っ走った。Cも置いてかれる恐怖と元々の性格でうわあああああって叫びながら全力で俺たちについてきた。 下校時刻、下校時刻と、下校、下校、なりました、帰りましょう、帰りましょう、帰りましょう、下校、時刻と、帰りましょう、下校 校内放送は狂ったように同じ言葉を何度も何度も繰り返している。 一階までノンストップで走り、階段を転げ落ちる勢いで駆け降り、入ってきた保健室に飛び込む。出られる!その瞬間 帰しませーーーーーーーーん 低い男の声だった。開けっぱなしのドアから外に飛び出し正門目掛けて一目散に走った。 夏休みが明けてすぐ俺は高熱を出した。 40度近い熱が1週間経っても下がらない。 A、B、Cの3人がちょくちょく大丈夫か、と生存確認の電話をくれていたのが支えだった。あの夜の出来事はなんとなく触れづらくて、4人とも避けていた。相変わらず昼過ぎまで自分の部屋で熱にうなされていたある日、パートに出ていた母から電話が来た。 「起きてる?もう帰るけど、お昼食べられそう?」 「わかんねえわ、なんも食いたく無いし。適当に自分でやるよ」 「そう?分かった、何かあれば」 ありがと、と伝えて電話を切ろうとした時、 「ていうかあんた…彼女さん?」 「は?」 「お見舞い?」 「??なんの話?」 「さっきからずっと聞こえてるのよ。女の子の声で。 家に帰して、帰して、帰してって」

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