これは5年ほど前に体験した本当にあった話。
長いですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
俺は都内で独り暮らしをしていたんだが、ある梅雨時期の日の夜、寝ようとしていると親友のS君から電話がかかってきた。
電話に出るとすぐS君は
「彼女といる? 音楽かけてる?テレビつけてる?」
としつこく聞いてきた。
でも俺は寝ようとしてたので、当然音楽もテレビもつけてないし、S君の言う彼女とは別れていたので一人きり。
そう伝えるとS君は、腑に落ちない様子でこう言ってきた。
「なんか、近くに女の人が居るような感じがするんだよね。でも一人だって言うから、音楽か何かかけてるのかなって思った。」
当時、部屋の一番奥に大きな磨りガラスの窓があって、その目の前にベットがあったんだけど、その窓の向こうにある狭めの道から、話し声が聞こえたりすることがあった。
「窓の向こうの道を誰かが通って、その人の声が聞こえたんじゃん?」
と、俺は話を切り上げてすぐ電話を切ったんだけど、ずっと窓の目の前にいたのに話し声も人の影も見えなかったから、内心かなり気持ち悪かった。
今思うとこれが異変の始まりだったと思う。
その日以降、部屋の気持ち悪さが拭えなかった俺は、とても霊感が強く、実家がお寺をしているお坊さんでもあるR君にお願いして、家に来てもらうことにした。
R君は家に入るとすぐ、周りをキョロキョロと不思議そうな顔で見渡し始めたから、どうなのか聞いてみると、Rからの回答は
「良いのか悪いのか分からないけど、確かになんか変だね。」
でもその後3~4時間くらい、音楽を聴いたりゲームをしたりしたけど、R君が何かを気にするような素振りはなかった。
R君が帰る時、家の前まで出て見送った後、俺はバイクで近くのコンビニに行った。
時間にすると10分もなかったと思うけど、帰って来てケータイを見ると、不在着信が入っているのに気がついて、電話の相手をみるとR君だった。
何の電話なのか確認しようと折り返すと
「え?逆にどーした?」
と尋ねられた。
どういうことなのか分からず事情を聴くと
「帰りだしてすぐ電話くれたじゃん? すぐに車を止めて出ようとしたんだけど切れたから、かけ直した。」
と言われた。
俺はR君が帰ってすぐバイクに乗ってたから電話なんかできないし、コンビニでもケータイに触れてないし、更には俺のケータイの発信履歴