これは、私が小学生のある夏の日、
姉が高い熱を、出した時の話です。

この日は朝から何故か、胸騒ぎがしていました。

昨日から姉は、熱が下がらず
風邪だったのですが
私は何か違和感をい抱いていました。

そして夜、私は母に言われ
一人、部屋で寝ることになりました。

怖かった私は、姉のベッドで寝ました。

ベッドと言っても、家は二段ベッドで、
姉は上のベッド、私は下でした。

でも、その日は何故か下で寝るのが怖く上のベッドでねました。

ちょうど夜中の二時半をすぎた頃でした。

何か生ぬるい風が、顔の上を通り過ぎ、
私は目を覚ましました。

ふと部屋の一角が、気になりました。

それはピアノの椅子と、壁のほんの僅かな隙間でした。

でも何もなく寝ようと、横になり布団を、
体にかけようとした時、

寒いよ

そう聞こえました。

思わず体を起こし声のした方を見下ろすと、さっき見たピアノの椅子と壁の僅かな隙間に、空色のパジャマを着た、姉くらいの女の子が、体育座りをしてうずくまっていました。

そして、震えるように体を揺らし

寒いよー 寒いよー

と言っているのです。

真夏の夜寒いわけがない。

しばらく見ていると
女の子の体は光りながら透け始めたんです。

怖くなり私は、布団にもぐりました。

気がつくとそのまま寝てしまったのか、
朝になっていました。

ベットから降りて、昨日あの女の子がいたところを見に行くと、
床に水たまりが出来ていました。

驚いて茶の間に行くと姉が起きていて
熱がすっかり下がったようでした。

姉に昨日のことを話しましたが、
信じてもらえませんでした。

そしてちょうど隣に住んでる祖母が、
姉のお見舞いに来たので、
祖母にも話をしました。

すると、この家は、家の近所にあるお寺の、39代目の和尚さんを守っていて、
そのお寺と、ここは、通り道になっているんだよと、教えてくれました。

私が見たのはきっと、
亡くなった人だったんだと思いました。

それからは、部屋で、見えた時
手を合わせるようにしています。

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