これは有名な話なので、聞いたことある方も多いだろう。
ある登山者が、5人でパーティーを組んで冬山を登っていた。ところが、天候が急変し雪崩に巻き込まれてしまう。
どうにか4人は助かったのだが、一人は命を落としてしまった。
4人は、その1人を担ぎ下山を試みるが、
吹雪にあい、とにかく身を守るために、安全な場所を探した。
少し歩くと、古く使われなくなった山小屋を見つける。
山小屋には、暖をとる為の道具はなく、
ぼろぼろになった、毛布が一枚だけ残っていた。
1人が、「眠いよ、とても眠い」と、
座り込み、うとうとし始めた。
しかし、眠ってしまうのは危険だった。
どうにかして、休みたい、でも全員が一枚の毛布にくるまって眠ることは厳しい、
もう1人が提案した。
「そうだ、誰か1人が起きて、左回りに次の奴を起こそう、順番に30分ずつ睡眠を取ることにしよう」
その提案は、すぐに取り入れられた。
1人ずつ、30分ずつ眠り次の人を起こして行く、先ずリーダーが起きていた。
30分して、壁にもたれる1人を起こしに、肩を叩いた。
リーダーはようやく眠りに入る。
そして、また30分して、次の人が壁の隅にもたれる1人を起こしに掛かる、こうして壁づたいに全員が1人を起こして行く。
翌朝まで続けられた。
誰も凍てつくことはなく、無事に夜があけた。
4人は、少しずつ休めたおかげで、少し元気を取り戻していた。
四隅にもたれて4人は座っていたわけだが、
1人、命を落とした仲間は真ん中に寝かされていた。
4人はこの仲間を山小屋に残すことしか出来ない、なぜなら、下山するのに、自分の命を守ることだけが、精一杯の天候は続いていたからだ。
4人は仲間に手をあわせ、頭を垂れた。
申し訳なさと、悲しみが彼らを襲うが、どうにも出来ない現実はそれ以上に強かった。
下山する中、天候は安定して来て、また彼らに精神的ゆとりを取り戻させていた。
仲間の1人の死を下山した彼らは、すぐに届け出て、遺体となった仲間も後に家族の元に帰る。
さて、この四隅の怪には、
あり得ないことがある。
4人が順番に隣の人の肩を叩き、続けることは、本来不可能。
A→B→C→Dとここまではいい、
さて、順番からAの肩を叩けるのは誰だ?
図にすれば分かりやすいが、Aの肩を叩くのは、もう1人5人目の人間が必要である。
4人の間で、下山後話題となった。
みんな震え上がったという、もう1人はきっとこの亡くな