この話、聞いたことある人もいるだろう。

ある仲間同士(4人)は、目的もなく、ドライブをしていた。
数時間が経ち、一人が提案をした。
「なぁ、このちょっと先に心霊スポットがあるんよ、行かへん?」
誰も反対する者は居なかった。
むしろ、楽しいだろうと思えた。
「あのトンネルで、中入って降りて見ぃへん?」
「ずいぶん暗いの」
トンネルに入るとまるでタイミングを図ったように雨が降りだした。
通り雨か、しばらくトンネルの中を歩き、
帰ろうとする時には止んでいた。
4人は、お腹がすいたので近くのレストランに入った。
「何もおらんかったな」
一人が言った。
「あるで……。」
他の一人が震えた声でつぶやいた。
「何がや」
「車、濡れとる」
また一人がつぶやいた。
「あぁ、雨降ったけん。」
「分からんか?」
完全に一人は落ち着かない。
「トンネル中入っとってん、濡れるか?」
誰も疑問を抱いて居ない様子に、その人は、声を荒げて、勢い混んで言った。「トンネル天井あるやん、それに、入る時、出る時には雨降っとらん、それに……。」
言葉を失った。
「あっ!」
他の一人が何か叫んだ。
「窓が汚れとる」
「雨に当たっとらんのに、車体も何かの染み付いてんで」
4人は、食事を早々に切り上げ、車に戻ると、くまなく車体を見回した。
濡れた時にしか残らない泥の汚れ、よく見ると手形が無数に後ろの窓に付いていて、
また、車の屋根には乾き切れなかった水滴が。
その心霊スポットは現在でもあり、使われています、また、トンネルで雨に当たった時には注意して、誰かの手形が付けられてしまうかも、そして、その汚れは、泥のようであり、血液のようである。
場所は、某高速の出口辺りのトンネル。
大昔、炭鉱だったところ。

通常版で読む