ないからなっ!!」といい さおりちゃんは 意識を失いました。

門をくぐり 直ぐに本堂へ行き さおりちゃんとさおりちゃんのお母さんにお祓いをして貰いました。( 私は 暴れるさおりちゃんを抱えていて 体力が消耗していたので 代わって貰いました。 )

汗で 顔に髪の毛がくっついていたので 塩白湯を用意させ さおりちゃんの顔を拭いてあげた後 母親にも 同じ物を出し 顔を拭いて頂きました。

奥座敷に布団を敷き お祓いが終わった後 さおりちゃんを寝かせて 私は 母親と向き合い話をしました。


私 「お母さんは 気付かれていますよね?さおりちゃんに憑いた男性が誰なのか?」

母親 「元夫の……祖父で…す。」

私 「ええ。さおりちゃんにしてみたら お祖父ちゃんですよね?そして……お祖父ちゃんは さおりちゃんをとても可愛がっていた。」

母親 「はい…とても可愛がってくれました。でも 夫の浮気で 私から離婚を申し出て……。」

私 「離婚した後 お祖父ちゃんにさおりちゃんを会わせなかったのですか?」

母親 「夫が実家に帰った事は 分かっていたので…鉢合わせるのも嫌でしたし……他の女を触った手で さおりを触られたら…と思ったら…行きにくくて…。」

私 「夫婦間の事 私が口を出せる立場では無いけど お祖父ちゃんには 会わせて良かったんじゃ無いですか?」

母親 「………………。」

私 「貴女が嫌だったのは旦那さんで お祖父ちゃんでは無かったはずですよね?」

母親 「さおりが逢いたがったら 会わせようかと思っていました。」

私 「でも…もう 普通には合わせられないですよ?」

母親 「 えっ⁉ それって…どういう…?」
( お母さんは お祖父様の生霊が憑いていたと 思っていた様です。 )

私 「残念ですが…お祖父様は 亡くなられてます。」

母親 「えっ⁉ だって 元夫がっ!! 」

私 「ええ…一定期間だけの様ですよ?後は お祖父様 お一人で 暮らされてました。」

母親 「そんな…そんな事……。」

私 「前に お祖父様から 連絡有りましたよね?さおりちゃんに会わせて貰えないか?って。 でも 貴女はもし元旦那さんに 会ったらって 考えて 断りましたよね? お祖父様 何度も受話器を手にされてました。だけど しつこいと思われたくなくて 連絡出来ずにいた。 あの保育園の前の道路で 事故があったの ご存知ですよね?」

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