方角に お盆に乗せ 置きました。そしてまた 心の中で( お約束したお水です。それと お疲れ様でした。盃をお取り下さい。 )と言って また 布団に潜り 眠りに就きました。

すると 降って湧いた様に 次から次へと 水を求める者達が増えて行くのと 同じ様に 時代の流れを感じ 兎に角 『水』に拘る者達が 大人から子供 老若男女問わず 増え 果ては赤ん坊までがミルクを求め 泣き叫ぶまでになりました。

取り合えず 水は タライにいっぱい入れて縁側に置き ミルクは無かったので 砂糖水を用意し 縁側へ移動して頂きました。

私は眠いので 明日 話を訊きます。
ですから 今はこれで我慢して下さい。と手を合せ ザワつく人や物音を無視して 寝ました。( 寝かせてくれたので… )


前の日に 図書館で ある程度 調べていたので 住んでいる土地が どういう場所なのかを 判った上で 専属のお坊さんに頼んで 一斉 供養を行い 天( うえ )に上がって頂きました。


さて……
どの時代にも 良い人ばかりでは在りません。
供養をしたその日 私は 夢を見ました。

夢の中で 私は 何処かの町の町娘の様な感じでした。夜 家族も寝静まった頃 突然 雨戸を蹴破られ甲冑に身を纏った侍達が 押し入って来て 両親を斬り殺した後 私は縁側に逃げた所で 右肩から左腰に向かい 一太刀で斬られてしまいました。

夢の中の私が 「 ぎゃあああぁ… 」と悲鳴というか断末魔を上げたのと 同時に目が覚めました。

起き上がった時 右肩から左腰に袈裟がけした様な痛みを感じ 姿見の鏡に 写して見ると…右肩から左腰にかけて まるで 袈裟をかけた様に赤く血が滲んだ ミミズ脹れになっていました。


その痕は未だ消えず うっすらと背中に残っています。

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