【イライラメールが届いたらスクショして5人に送れ。さもないとあいつが…】
ネットでその情報を見てから、私はメールが気づかない間に来ていないか何度も確認するようになった。
この話は、三年前。私がまだ高校生だったときのこと。
彼氏もできて、幸せな高校生活を送っていたけれど、こんな事が起きてしまうなんて。
ある日、私は友達とメールをしていたんだが、友達以外の人からメールが来ていることに気づき、見てみることに。
件名 イライラメール
このメールが届いたらスクショして5人に送ってね!
そうじゃないと地獄に落ちるからな。
送るとラッキーなことが起きるよ!
送らないと逆のことがおきる。
なんと情緒不安定なメールなんだと、苦笑いしながら消した。
そして5日ほどたったある日。
彼氏と遊びに行っていた。
すると、携帯がバイブをならす。
「なんだろ…」
見てみると、一通のメールが。
件名 おい
送らなかったな
今行くぞ
何かが私にべたっと触って来たような、冷たく気持ちの悪い感じがする。
すぐにメールを消した。
そして携帯の電源を切り、彼氏を心配させないように作り笑いを見せた。
そして…
電源を切ったはずの携帯がバイブをならす。
「メールだ…」
止まらない汗、鼓動が私を殺そうとしている気がする。
意を決してメールを開くと、
件名 こをとわゆの
のをてほたの「とをつおややな、んとまたとわ」ゆゆねらやたやゎたこまてら「みんぬは。るまよんの、!ぬ「まのよなほわ
後ろ
最後の後ろという文字が私の体を震わせた。
「あいつが…」
あいつがくる。
彼氏に抱きついて震える手を必死に押さえる。
「ほんとだったらどうしよう…!」
「おーい」
彼氏が私を呼んだ。
でも怖かった。
彼氏の温かい温もりがなくなって、
ひんやり冷たくなっていることに気がついたから。
「あなた…誰…?」
私は彼氏を、いや、それを震えながら見上げた。
それは、彼氏じゃなかった。
にたぁと笑うそれは、私を見降ろしてよだれを垂らし、だらしない顔でひひっ…!と声を出した。
「きゃぁ!」
そして携帯のバイブがなる。
件名 遅かったな
回せば幸せだったのに。