僕には、小学校の頃とても仲良しだったA君がいました。
中学に進学するとき、運悪く違う中学校になってしまい、残念に思っていました。
しかし、彼とはメールなどでやり取りし、元気を取り戻していきました。
そんなある日、いつもなら彼がメールしてくる時間を過ぎても、メールが届いてくる気配がありません。
「どうしたのかな?疲れて寝ちゃったのかな…?」と思いながら、その日は寝ました。
しかし、次の日も、またその次の日も彼から連絡はなく、不安になっていきました。
そして、連絡が来なくなった一週間後、メールをまた待ち続けていると、「ピンポーン」とチャイム音がしました。
「もしかしてA君が無事を知らせに来てくれたのかな?笑」
とか思いながら、戸を勢いよく開けました。
しかし、そこには誰もいません。
あれっ?、と思いながら、周りを見渡しましたが、人の気配すらしません。
そんなこともあり、僕はA君の家にいくことを決心しました。
「ピンポーン」
相変わらず音割れしたA君の家のチャイム音が鳴り響いた。
「はーい」
といって出て来たのは、A君のお母さん。
「あら。珍しいわねえ。久しぶり。さあ、入って入って!」
と中へ通され、A君のことを聞きました。
すると、みるみるお母さんの顔が曇っていき、
「あの子、二週間前ぐらいに、急にいなくなっちゃったのよ…」
と言いました。
それは、ちょうど連絡が来なくなった日だったのです。
しかし、そんなことはおかまい無しに過ぎていく日々。
A君の連絡がなくなってから早2ヶ月が経とうとしていたある日。
定期テストに向けて、僕は勉強していました。
すると、下の階から上がってくる誰かがいました。
「誰ー?勉強の邪魔しないでっていったよねー?」
と大声で叫びましたが、返事はなく、足音は続いています。イライラして、階段を覗きましたが、誰もいません。
(あれ?なんだったんだろう?疲れてるのかな?)と思って、窓を閉めたら、自分の後ろにA君が写っているではありませんか!!
「A君!!どこに行ってたんだい?!」と話しながら後ろを向くと、そこには左足がなくなり、目が片方しかなく、血まみれのA君が立っていたのです。
「ヒイッ」っと尻餅をついたかと思うと、消えてしまいました。
次の日。
昨日のことが忘れられないままボケーっと朝食を食べながら、新聞を見ていました。
すると、A君が山奥で車に轢かれて亡くなったと書いてありました。