これは私が5年ほど前に体験した話です。
当時の私は、とある飲食店の雇われ店長をやっていました。
お店の閉店時間22時を過ぎ、全てのお客様がお帰りになられた事を確認して、アルバイトの女子大生kさんと私の二人で、クローズ作業をしています。
kさんはと言うと、おしゃべりの大好きな女性で、大学での事や彼氏の事など普段、彼女の身の周りで起こった事を事細かく、私に話し掛けてきていました。
私 「kさーん、とりあえず手を動かして片付けしよっか?」
kさん「ハ〜〜イ店長!」
私 「……………。」
彼女は明るく人当たりも良かったのですが、いかんせんおしゃべりをしだすと止まる事がありませんでした。
私は、kさんとの話しを軽く流しつつ、片付けも終わりに近づき、残すところはホールの椅子をテーブルの上に上げてモップ掛けをすれば終了です。
ホールの電気を消し、厨房の灯りだけで
二人で分担しながら掃除をしています。
ここまで来ればkさんも早く終わらせたいのでしょう。 黙々と椅子をテーブルに上げていました。
店内は椅子を上げる音とUSENの店舗用BGM(新曲の洋楽)が流れています♪
と、けたたましく店舗の電話が鳴り響きました。
トゥルルルルル…………
トゥルルルルル…………
お店の営業時間も過ぎていたのですが、
出ないわけにはいきません。丁度、電話の近くに居たkさんに、
私 「ごめん kさん電話取って!」
kさん 「mooooo!nandekonnajika....」
kさんは渋々受話器を取ろうとしています。
kさん 「えっ えっえっ…??」
私 「何? 早く取らないと切れちゃうよ」
kさん 「でも店長…」
kさんはなぜか戸惑っている様子です。
トゥルルルルル…………
トゥルルルルル…………
その間も電話は鳴り続け、私は駆け足で電話に近づき、受話器を取ろうとkさんを退かします。
電話の前に来て私は、妙な事に気付きました。ナンバーディスプレイに表示されている番号………。
この店の番号…… でした。
私 「????」
kさんと一瞬顔を合わせるも……。
kさんは困惑した様子でしたが、私は電話に出ない訳にもいかず受話器を取りました。
私 「お お電話ありgとうございます……。」
…………………………。
…………………。
……
ピィーーーーーーーーーーーーー…
私 「うわ〝っ!」
私はその時、受話器を咄