先日、三重旅行へ行ったときのお話です。
混雑を避けるために私と母は夜の9時頃に地下一階の大浴場へ行きました。
脱衣場には人はまばらで時間も遅かったため、子供はいませんでした。
私はお風呂に入る前にトイレへ入りました。
トイレは脱衣場の隅にあり、扉をあけると少し古いのかぎぃ~と軋む音がします。
トイレのなかはよくあるタイル張りで扉を開けてすぐに大人用と子供用のスリッパが一対ずつそろえておいてありました。
広さはだいたい2畳ほどだったでしょうか。
扉を開けて正面に鏡と手洗い用のシンク。
一段下がってすぐ横に公共施設のトイレのような個室が一つありました。
私が個室に入って用をたしていると「ぱすっ…ぱすっ…」とスリッパ独特の足音がきこえました。
足音は個室の前を行ったり来たり。
誰かトイレを待っている。
私はそう思って慌てて出ようとしましたが、ふと疑問に思いました。
いつ、扉があいた音がした?
そもそも、小さい子供用のスリッパしか残ってないし子供は脱衣場にはいなかったはず…。
さっと血の気が引きました。
考えている間にもスリッパの足音は行ったり来たり。
迷いながらも本当に待っている人がいたら悪いし、もしかしたら小さい子が私がトイレに入った後にきたのかもしれない。
私はなるべく明るく考えて個室のカギを開けました。
その瞬間、あれだけ繰り返し聞こえていた足音がピタリとやみました。
そっと個室の扉からのぞくとそこには誰もおらず、子供用のスリッパもそろえて置かれたまま。
私はあわてて手を洗ってトイレをでました。
着替えていた母に「私がトイレにはいった後、子供がきた?」と聞いてみたら
「来てないけど?なんで?」と言われました。
だったらあの足音はだれだったのか…。
ぞっとする体験でした。
。
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