私が高速道路のパトロール隊をやっていた頃のお話です。

うちの隊には、絶対に仮眠室で仮眠をとらない先輩が3人程居ました。14人程の隊だったので、その中の3人ともなると結構な割合です。

仕事柄、死亡事故の現場に向かったりして仕事をしてるので、そこそこの修羅場に立ち会ってきた屈強な隊員であるにも拘らず、頑なに仮眠室の利用を拒んで、机の上とか、廊下とか訳の分からないところで寝る先輩達でした。

ある日
「おい、○○。お前、仮眠室で寝てて何とも無いか? 確か、霊感有るとか言ってなかったか?」
と先輩に言われ、
「いや、今のところ何とも無いですよ」
と返しました。

ところが、それから間もなくして、仮眠室(和室)で休んでいた際に金縛りに遭いました。
当時は、体が寝てて頭が起きていると金縛りに遭うだなんて迷信(この定説は全くのデタラメであると近年の研究では報告されれています)を信じていましたので、きっと自分は疲れているんだと思っていました。

すると、入り口の方から 『ズリズリッ』『ズリズリッ』と足を引きずりながら近づいてくる音が聞こえます。

誰か入って来たのか?
その時はそう思いました。

その足音は私の枕元まで来ると歩みを止め、まるで動けなくなった私を上から見下ろしているようでした。

体の拘束を解き放とうと懸命に頑張りましたが、その甲斐もなく、一向に動きません、そうこうしいるうちにその何者かは、私の枕を投げ飛ばし、私は首がすくわれる羽目に、、、

誰がこんな悪戯を??

寝込みを襲われた私は完全に怒りにかられ、体に自由が戻った途端に事務所に走りました。
「誰だ!俺の頭蹴飛ばしたのはー‼︎」
同僚達は、きょとんとした顔でこちらを見ています。
「何があった??」
先輩に問われると。
「いや、俺が寝てたら誰かが枕元に立って、急に枕を蹴飛ばすか何かして放り投げやがったんですよー‼︎」
と私は怒りに身を任せ我を忘れて声を荒げていました。
「金縛りにあったか?」
「えっ、どうしてそれを?あ、遭いましたけど」
「お前もか〜? という事は全員喰らってるんじゃん」

どうやら、そこの事務所では名物と言うか恒例と言うか、ほぼほぼ全員何らかの霊体験をしているようで。
新隊員で、入隊したての隊員には敢えて教えないのだとか。(教えると怖がって辞めていくので)
その霊体験と言うのも、私と同じ様に枕を蹴飛ばされた人が1番多くて、次に多いのが、誰

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