はじめに。この物語とは関係ないので、面倒な方は読み飛ばしていただいて構いません。

『本当にあった怖い話』のサイトでこんなことを言うのもどうかと思われるかも知れませんが、あえて一言。
「事実は小説よりも奇なり」なんて言いますけど、「本当にあった」心霊体験なんてそれほど怖くないものがほとんどなんです。
考えてみてくださいませ。もしあなたがこの上なく苦しんだ末に死んだところで、それを全く関係ない他人を巻き込み、恨み、取り憑くことで自らの不憫な思いや憎悪を晴らそう、なんて思うでしょうか。
一部の人(幽霊?)は思うでしょうが、大抵は思わないはずです。
古くから怪異譚として語られてきたものの中には単純な恐怖が目的のものもありますが、多くは教訓じみたものやどこか妖美さ、不思議さを感じさせるものばかりでございます。どうか皆々様、それをご理解の上で『本当にあった怖い話』のご投稿、ご閲覧を。
今回私がさせていただきます話も、そういった少し不思議な話でございます。決して背筋の凍るような話ではありませんので、怖かったかどうかの評価はしていただかなくても結構です。
もっとも、この話が「本当にあったものか」、あるいは「誰が体験したのか」は伏せさせていただきます故に、ジャンルは「その他」にしてあります。全くのフィクションと考えてくださっても、あるいは私が実際に経験した出来事と考えてくださっても構いません。
さて、前口上が長くなってしまいました。どうぞ本編をお楽しみください。

人称は「彼」で統一します。
当時大学生であった彼は他の多くの学生と同様アパートで独り暮らしをしていました。親からの仕送りがほとんどないのがネックでしたが、給料の高いバイトをしていたこともあり、生活にはあまり困っていませんでした。
この高額のバイトというのがまた曰く付きの、色々な意味でかなり「ヤバい」ものなのですが、それはまたいつか機会があればお話いたします。
ともあれ、彼は周りの学生より幾分か裕福な生活をしていたのですが、ある日を境に一つだけ、たった一つだけ悩みの種ができたのでした。
彼は毎朝起きるとまず最初に部屋のカーテンを開けるという、まあ何ら特別でもないルーティンがあったのですが、その日彼がカーテンを開けると、彼の住む二階の部屋の窓の外、アパートの裏の少し広い通りの真ん中に男が立っているのが見えたのです。
シワのない真っ黒なスーツを着て青みがかったネクタイをして

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コメント(1)

何だか面倒くさい人。

匿名キボウさんの投稿

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