仕事が終わり、運動不足解消の為に街中を散歩がてら歩いていると頬に微かに白くて冷たいモノが当たりました。
昨日、私が住む地元の仙台にも初雪が降りました。

毎年、寒くなると思い出す不思議な出来事のお話をさせて頂きます。

私が中学三年生の11月のある寒い日、学校から帰ると自宅には父と兄だけでした。
祖母と母は出掛けていて不在でした。
おやつを食べて携帯を見ると、夕方の17時半で夕飯の準備の時間です。
「ねぇ、お父さん。私がたまに夕飯作って良い?」
「おっ、偉い‼栞は料理が美味いから楽しみだね。」
「頑張れ。火傷に気を付けるんだよ?」
兄と父に激励され台所に出陣。
まずは冷蔵庫を偵察…白菜と鶏肉と人参とうどんと…よし、今晩は煮込みうどん‼

その当時は祖父が亡くなったばかりで、四十九日が過ぎるまで祭壇に夕飯を供えていました。
味噌煮込みうどんだけでは他の器がガラガラで格好悪い…お浸しも付けるか。
因みに、料理中に背後に視線と気配がありましたが…優しい雰囲気をなんと無く感じたので怖くはありません。
無事、味噌煮込みうどんの汁が出来て味見をしてもらった兄と父の合格点を貰いました。
意気揚々と味を染み込ませようと鍋にうどんを投入…。

それから30分後に母と祖母が帰宅して、夕飯の準備。
祖父のお供えの器にお浸しと漬物とご飯と埋め合わせに蜜柑を置いて後はうどんを分けるだけ…と、鍋を開けた私はその場で固まりました。
うどんが汁を吸ったので、汁なし味噌煮込みうどんが出来ていました。
「次からは別のお鍋に汁を作ってその中にうどんをいれるか、うどんは食べる前に入れると良いよ。」
「味は染みて美味しそうだね。頑張ったね。」
半ば爆笑気味に母と祖母はフォローをしてくれましたが、男性陣は爆笑していました。
「じいちゃん、汁なしうどんになったけど頑張って作ったから食べてね。お父さんもお兄ちゃんもあんなに爆笑しなくても良いじゃん。」
少し愚痴りながら手を合わせる私を祖父の遺影は優しく微笑み…いや、一瞬クスッと笑ったような表情をしながら見ていました。
タイミング良くお腹がなったので茶の間に戻り夕飯を食べました。
頑張った甲斐があり、汁は無いけど美味しく食べられました。

その日の晩に面白い夢を見ました。
「柔らかくて食べやすいね。美味しかったよ。大丈夫、栞は良いお嫁さんになれるからね。」
「流石、我が娘の孫ね…中々の手早い料理捌き。でも…うどん

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コメント(2)

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久しぶりにいい話

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