これは東海地方のある県にある山の話です

その歩道橋は、歩道のない
徒歩では立ち入る事が出来ない道、
急カーブの手前に存在していました。

では、この歩道橋は何の為に…。
錆びて古くなった今も設置されたままなのでしょう。

この山にやって来る走り屋…ツーリングの集団…の中ではある噂が密かに広まっていました………。








そんな山に私もたびたび登る事がある。
走り屋気取り、とはいかないが、休日に自慢の愛車でのんびりと景色を楽しみに行くのだ。

ある冬の寒い日も買い物ついでにのんびり登っていく。
時刻は午後3時20分くらいと言ったところか。
登りきり、駐車場に車を停めると眠くなってきたのでシートを倒し少し目を閉じる。








コツン…ッ…コツン…

小さな音で目がさめる。
コツン…。

フロントガラスに目をやると、小さな水滴が…雨か。

エンジンをかけカーナビの時計を確認すると、午後5時前になっていた。
あたりはすっかり暗く、駐車場内の車も大分減っていた。

(下るの怖いなぁ…)

しかし帰らないわけにもいかない…。
しぶしぶ車を山道に向けた。



ライトを付けても数メートル先は闇。

窓を開ければ、冬独特の冷たい風が吹き込み、カサカサと木々の音だけがする。
いつもは、マイナスイオンだ何だとウキウキしているのがバカみたいだ。

後ろに追いつかれない限り、ルームミラーもただ真っ黒な闇を写しているだけだった。

そんな状況では嫌でも思い出してしまう噂

そう、山中の歩道橋。
なんでも女の子の霊が出るとか。

関係があるのかは定かでないが、
その山での交通事故は多い。

実際、道にはブレーキ痕が多数存在する。

(立ち入れない場所の歩道橋なんて、誰も使えないじゃないか…)

(じゃあ、使っているのは…)

嫌なことを考えていた時、少し急なカーブに差し掛かる。
その次のカーブの先が歩道橋のところだ。

(うわっ…やばい!)

速度を考えずにカーブに入ったせいで、車は見事に横滑りした。

ドクン…ドクンと心臓から嫌な鼓動がする。

(早く帰ろ…)

再び車の速度を上げた。
歩道橋のところもササッと通ってしまえば大丈夫だ、という根拠のない考えで自分を納得させた。




ドキドキしながら次のカーブも通り抜ける。その先だ…。

そして俯きがちに歩道橋のところも通り過ぎた………。









(よかった…何

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コメント(2)

時間ループしてるんですけど

間開け過ぎ、、、

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