親戚や知り合いなどに良くない事が起きる前、
私は必ずピエロの夢を見ていました。

これは私が小学5年生の時の話です。
同級生のAちゃんが喘息で入院していました。
家も近所で お祖母ちゃん同士が茶飲み友達だったので
クラスは違ったのですが、放課後は お互いの家を
行き来する仲でした。

Aちゃんが入院してから4~5日 経った頃
Aちゃんの容体が落ち着いたという事で
お祖母ちゃんが お見舞いに連れて行ってくれました。
実は、Aちゃんが入院する前にもピエロの夢を見ていたのですが
この時は見ていなかったし、何よりもAちゃんが
元気だという事で安心して お見舞いに行きました。

Aちゃんは本当に元気そうで、退屈だと言いました。
2~3日で退院 出来そうだとも。
私は安心してAちゃんが入院している身である事を
忘れ、いつも通りの楽しい時間を過ごしました。
小一時間ほどして、そろそろ帰ろうとなった時、
私は気付きました。
Aちゃんの真向かいのベッドの お婆ちゃんが
顔の前で しきりに手を振っていたのです。
それはまるで、蝿を振り払っているように見えました。
ただ、私が見る限り、蝿は見えませんでしたが…
帰り道、私は お祖母ちゃんに訊いてみました。

「部屋に蝿 飛んでた? お祖母ちゃん、蝿 見た?」

すると お祖母ちゃんは見ていないと。
そして、窓を開ける季節でもないし、蝿なんか
いないと思うとも言いました。
お祖母ちゃんは、何で そんな事を訊くのかと
言ったので先ほど病室で見た事を教えました。
が、お祖母ちゃんはAちゃんの向かいのベッドの
お婆ちゃんが手払いしていた事に気付いて
いませんでした。

「あら、そうかい…」と言ったきり なんとなく
その話は終了しました。


その翌々日、Aちゃんは無事に退院しました。
学校から帰った私はスグにAちゃんの家に
遊びに行ったのですが、そこでショッキングな話を
聞かされました。
なんと、向かいのベッドの お婆ちゃんが亡くなったと…

私は家に帰って その事をお祖母ちゃんに話しました。
お祖母ちゃんは、そういう事だったんだね、と
独り言を言った後、私に言いました。

「きっと、お迎えが来ていたんだね。」と。


子供心にも理解しました。
ただ、払うように手を振っていたのは
もしかしたら、その お婆ちゃんにとっては
嬉しくないもの(身内以外)が迎えに来ていたのかも
しれないな、と大人にな

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