前回のお話しの後の話し。

 めまぐるしく過ぎだ日々も、引越しをして落ち着いた頃。引越して初めてのお盆が来た。その日の夜、新しい部屋に寝ていると、不意に目が覚める。妙に明るい部屋を不思議に思ったが、月明かりだろうとたいしてきにしなかった。なかなか寝直せず、何度目かの寝返りをうつと、微かに鈴の様なシャン…シャン…と言う音が聞こえてきた。

 何処からともなく聞こえる音の発生源をベッドで寝たまま探していた。だんだんと音が近づいてきている。突然、パッと部屋が明るくなると同時に金縛りで体が動かなくなる。眩しく目をつむった状態で、目も開けられなくなった。

 突然の事で混乱しながら、近づく音に怖くなってきた。目を閉じてて良かった!と、思った矢先確かに目は閉じているが、部屋の様子が見えるようになっていた。幽体離脱状態だったのだろうか。部屋の天井の隅から部屋全体を見渡しているような視点で光が入っているが、二階の壁から光の道が出来ており、そこを白装束を来た年齢様々な人がうつむき加減でぞろぞろ歩いている。反対側の壁に抜けて、光の道が出来ており、そちらに歩いて行っている。シャン…シャン…という音は部屋の中でなり続けた。

 どれだけそうしていただろう。ふと、人の列の中に、見知った顔があった。亡くなった母と祖父がいたのだ。あぁ、お盆だから帰って来たのか。そう理解すると、不思議と怖くなくなった。ふたりが部屋に入ると、列からはずれてすーっとおそらく仏壇がある部屋に行ったようで(方向から推測)何故かわからないけれど、帰ってきたんだな。って認識したら、シャン…シャン…という音が遠ざかりはじめ、部屋の外に出たかな?位で部屋の状態が元に戻り、視界が暗くなった。

 気づくと朝だった。夢かと思ったら、帰りも同じ様に帰っていき、ソレからお盆は必ずその列が通る様になった。

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コメント(1)

怖いんだろうけど、私も亡くなった母に会いたいな…と切なくなりました

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