大学卒業後、5年ほど幼稚園教諭として働いていた。
結婚して辞め専業主婦になっていたが、働いていた園が幼保一元化に伴い、保育士が不足しているとのことで声がかかった。次が見つかるまでパートで良いから働かないかと。
一応面接に行くと、国道沿いにあった園は、敷地面積拡大のため数百メートル奥まった場所に建て替えられていた。
ちょっと古めかしかった園が、新築でなかなかいい感じの建物になっており、私は浮かれた気分で勤務初日を迎えた。

辞めて2年ほど経っていたが、半分以上知らない先生ばかりだった。まぁ、女性の職場なので、結婚や出産で辞めていく人は多いと聞く。実際私もそうだったし・・・と特に気にせずにいた。

私は2歳児クラスと3歳児クラスを行ったり来たりして、お手伝いするという役割となっていた。幼稚園教諭の経験しかなかった私からすれば、その年頃は小さくて可愛くて、寝顔なんて本当天使で・・・毎日癒されていた。

私は6月から働き始めたのだが、午睡の時間に、あれ?と気づくことがあった。園児が泣くのだ。確かに中には寝ぐずりをするような年齢の子もいる。
しかし泣く子の中の数人が『暑い、暑い』と泣くのだ。初夏ではあるけど、そんな泣くほど暑いか?と思ったけれど、泣く子をあやしたり団扇であおいだりしていた。

ある日年長クラスの担任が辞めた。

幼稚園教諭の資格がある私がパートながら担任をすることになった。
年長クラスでは午前中は座学を行い、昼食後から1時間ほど園庭や体育館、夏はプールで活動する。
その日はとても暑く、園庭で水遊びをする準備をしていた。
その日の日直のこども2人と園庭で大きなタライに水を溜めたり、水鉄砲を倉庫から出していた。
そのとき1人の女の子が、『ねえ、先生、あの子だぁれ?』と訊くのだ。私は顔を上げてその子が見ている方向を向くが誰もいない。
え、どこ?と尋ねると『ほら、砂場の前にいる子だよ。女の子かな?』と言う。もう1人の子は倉庫に行ったきりで、園庭にはその子と2人。砂場はほんの5mほど先だ。ちょっと混乱した私は、ただただ砂場の方を見ていた。
すると『あ、行っちゃった。』とその子はまた作業をし始めた。
倉庫に行った子も戻ってきて準備がほとんど終わり、教室で待つ子ども達を呼びに行こうと2人から離れたときに2人が話していた会話・・・
『また来たよ、あの子。』『ああ、あの焦げてる子?』『うん、こっち見てた。誰だろうね。』

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コメント(5)

んで?どうなったの?

なんか中途半端

黒い幽霊?って事?分かんない…

戦時中に亡くなった子じゃないんですか

子供が暑い暑いって泣くのと関係あるのかな?

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