とある院生の話をしよう。
彼は大学の研究室で泊まり込みで研究課題をしていた。
とは言え、夜に実験をやると機械が大掛かりなものなので動かすと騒音が発生するから室内でのデータ整理とか実験室で明日の実験準備をするとか、そうした事務処理が夜の主な作業だった。
そのときは、学生の管理や仕事の整理のため、教授もいたわけなんだ。
深夜の一時頃、教授はふと何か気になり出したみたいで彼に実験室の確認をお願いしたんだ。
明日の実験準備が確かだったか、パソコンの消し忘れがないかだったか、些細なことが気になったようで少し頼まれて欲しいとのことだった。
彼はポスドクで教授からも信用されていたし、実験室までは歩いて五分くらいのところだった。
課題が一区切りついたこともあり、彼は教授の頼まれ事を引き受けたんだと。
因みに、他にも修士課程やポスドクが何人かいたんだが、彼らはやることをやって仮眠室で寝ていたから、彼しか頼める人もいなかったらしい。

それで彼は教授から鍵を預かって実験室まで見回りに行った。
実験室を開けて部屋に入ると、パソコンがついていた。
実験室には実験装置を制御したり実験データを取るためのパソコンがあるんだ。
なので、彼は誰かがパソコンをつけたことを忘れて出て行ったんだろう、と考えてパソコンを消した。
このとき、明日は実験で今日は準備で慌ただしい日だったから、そのせいだろうと思うくらいだった。
それから特に変わったこともなく、彼は見回りを終えて、研究室へと戻った。
研究室へ戻った彼は教授にパソコンが附けっぱなしで画面がついていたことを報告した。
そこで教授は、あぁそうか、と言って少し間を置いてから眉をしかめた。
彼も自分の口でそのことを報告していて違和感を感じた。
普通、パソコンをつけっぱなしにしていて、放置しているとスリープモードになる。
使っているパソコンはそんなに古いものというわけでもなく、二時間、三時間と放置していたら、スリープモードになっているはずだ。
そして、彼ら研究室のメンバーが最後に実験室を後にして鍵をかけたのは午後10時頃。
深夜1時よりも三時間ほど前のことだった。
教授はそんなこともあるだろうと言って仕事に戻りましたが、彼はそのことが頭にこびりついてしまい、気になって仕方なかったそうだ。
2時になるかどうかの頃、彼は教授にもう一度実験室を見回りに行きたいと申し出た。
何故か見過ごせないという気持ちになったこ

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コメント(1)

恐怖体験した構内に1泊とかとんでもないマヌケじゃん。それとも武勇伝なのかな?

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