
小学校の高学年、ある冬の夜、俺の学校で「呪いの声」の噂が広がっていた。仲良しの友人、Tがその話を持ちかけてきたのだ。「今夜、山奥の廃村に肝試しに行かない?」
俺たちは、親には「星を見に行く」と適当な理由をこしらえて、山へと向かった。夜の静けさが不気味で、風の音さえも恐ろしい。廃村に着くと、周囲は薄暗く、背筋が凍る思いがした。
「やっぱりやめよう」と言ったが、Tは「ここまで来たんだから行こうぜ!」と強引に進んでいった。やむを得ず、俺も後に続いた。
廃村の中に入ると、まるで時間が止まったかのような静けさが広がっていた。懐中電灯を片手に一階を調べたが、何も見つからなかった。ただ、奥の方に一瞬、血まみれの白い服を着た少女の影が見えた気がした。
二階へ上がると、Tが「うわぁ!」と驚いた。彼の視線の先に何かがあった。異形の幽霊が立っていたのだ。背を向けていたそれが、突然振り返り、俺たちの目が合ってしまった。
「やばい」と思った瞬間、俺たちは窓から飛び出し、逃げることにした。Tは足をくじいたらしく、俺は急いで彼をおぶって公園へと向かった。しかし、後ろからその声が聞こえてきた。「呪ッテヤル」「呪ッテヤル」。それは、Tの声のように聞こえた。
振り返ることもできず、俺はそのまま神社に向かって全力で走った。息が切れ、心臓がバクバクしている。神社に着くと、「友達が危ないんです!」と叫んだが、誰も出てこなかった。焦りが募り、再び公園へと戻った。そこでも何をすればいいのかわからなかった。「T!しっかりしろ!」と叫ぶが、彼はただ「呪ッテヤル」と繰り返していた。
絶望的な気持ちになり、俺は一人で家に逃げ帰った。翌日、Tの姿は消えていた。時折、夢の中にTが現れて、白目のない黒い目で俺を睨みつける。「オマエガ死ンダラ良カッタノニ。」「オマエガ呪ワレタラ良カッタノニ。」
T、見捨ててごめん。どうしようもなかったんだ。
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