本当にあった怖い話

10年以上昔、働いていた会社の業績が良かった年に、田舎の小さな店の責任者であった末端の自分も、地区エリアの忘年会に呼ばれてお邪魔した。

ホテルで行われた忘年会では、数年前まではかなり有名であった芸能人の〇〇(例えるならみのもんた)もゲストに呼ばれていて「凄い有名人じゃないか」と驚いた。

流石に元有名芸能人だけあってトークも上手く、下座の会場入り口付近の席で料理をつまみながら、自分も大いに楽しんだ記憶がある。

やがてトークショーも終わり自由歓談となったので、時間を持て余した自分はトイレにでも行こうと会場を抜け出した。

廊下を歩いていると芸能人の〇〇が、明らかに倉庫とか荷物置き場と見られる部屋にフラフラと入っていった。

だいぶ酒も進められていたし酔っているのかな？トイレと間違えて入ったのか？出てくるのを待って小便のタイミングを合わせたら「俺、〇〇と連れションしたんだぜ」と話のネタになるかな？

そんな事を考えながら待ってみたが出てくる気配はない。

自分も膀胱の限界だったので、諦めてトイレを済ませて会場に戻った。

やがて締めの挨拶の時間になっても芸能人〇〇は戻ってこない。

確か最後の挨拶があるはずなのになと思いながら、近くにいた先輩に「〇〇遅いですね」と言ったら「何それ」と言われた。

いやゲストの芸能人の…と言いかけて、名前が思い出せない。

それどころか有名人のはずの〇〇の出演番組とか何をしていたかとかサッパリ思い出せないのだ。

帰ってからネットで思いつくキーワードや関係しそうな単語を検索してみても、それらしき〇〇の情報は出てこない。

自分の頭がおかしくなったのか、〇〇という芸能人の存在が突如消えたのか。