合い、走るスピードが少し落ちていきました。
祠に近づいた時、誰か立ってるのが分かりました。
白い服を着た知らない女の人で、俯いていました。
私たちはおじいさんの言っていた言葉を思い出して、その人を見ないように、通り抜けた時に
その女の人は低い声で「やっと・・・~~なのに・・」とつぶやくように言いました。


友達が思わず、「えッ?」と言って振り向こうとしたので、私は「振り向いちゃダメ!!」と
友達の手を引っ張って一気に山を降りました。

家に帰った時にはもう8時近くなってて、父と母にものすごく怒られました。
どこに行ってたの!!となったけど、
山に行っていたことは言えませんでした。

後日、祖母が心配して、話を聞いてくれました。
その時、仏壇のある部屋で話していたのですが、不意に部屋の鴨居を見上げて
思わず「あっ・・あの時の、おじいさん・・!」と声をあげてしまいました。
ご先祖代々の写真の中に、あの時に会ったおじいさんの写真がありました。
「ああ・あの人はあんたのひい爺さんだよ。実はね・・」

祖母の話によると、私たちが探検に行った山は、かつて差別を受けていた者たちが
ひっそりと集まって住んでいた。
けれどもある時、暮らしに困った山の人たちが、食料を分けてほしいと
この町にやってきた。

みんな冷たいもんで、誰一人、知らん顔、でも、父ちゃんだけは・・ああ、あんたのひいじいちゃんだけは
気の毒だからって、
畑で採れたもの、分けてあげて、、
ンである日、その山に人に誘われるように山に行って
それっきり帰ってこなくなった。。

私ら、町の人も、山に手分けして探しに行ったけんど
大体その村が、どこにあるのか全然わからなんだ。
結局、行方不明のまま、山の人も、それっきり、姿を見せなくなったんよ。

祖母は遠い眼をして、うっすらと涙を浮かべていました。

「きっと、ひいじいちゃんがあんたのこと、助けてくれたんね」と言っていました。

私が手に持っていたのは、南天の木の枝でした。
祖母の家の庭に同じものが植えてありました。


・・・あれから数十年がたち、田舎に帰った時に一度だけ、あの山に行ってみたことがありましたが
小さい祠を見つけることはできませんでした。

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コメント(2)

トトロとハク様出てきて草

こーゆう話はなんかロマンがあって好き

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