「幽霊なんかこわくない」

そんなふうに言い切る人がいる。
中には、自分の主張を証明する為に、肝だめしまでする人もいるようだ。

しかし、半端な気持ちで、肝だめしに行くのはおすすめ出来ない。
何故って、この世の中の゛こわいもの゛は幽霊だけではないのだから……。

これはK県に住む高校生、Sの話だ。
Sも例によって、怪談や幽霊話を一切信じないタイプだった。

そんなSが、ある日、近所の心霊スポットの話を聞きつけた。
なんでもSの住む隣の町に、幽霊が出るという噂の神社があるらしい。

興味を持ったSは、その日の夜、一人きりで神社に行くことにした。
闇に包まれた境内は、今にも霊があらわれそうで、ふつうの人なら、足を踏み入れることを躊躇っただろう。

取り敢えずSは、ぶらぶらとうろついてみたが何も起こらない。
もちろん幽霊などかげもかたちもなかった。
(やっぱり何も出ないじゃないか……)

ガッカリしながらも、少しホッとしていた。
しかし、その瞬間、

……コーン、コーン……

神社の奥の木の間から、妙な音が聞こえて来たのだ。
その音に興味をひかれたSは、どきどきしながら、木をかき分けて音の方へ歩いていった。

そして見てしまったのだ。
白装束を着て、藁人形を打ちつける女を……!
藁人形には、五寸釘が深々と刺さっていた。

「うわっ!」

Sは思わず声を出してしまった。

その瞬間、カナヅチを打つ音が止まり、
女がSのほうを振り向いた!

それは、鬼のような恐ろしい顔だった。
女がこちらへ走り出すのと、Sがその場から逃げ出すのは、ほとんど同時だった。Sは無我夢中で走った。

……ザッ、ザッ、ザッ!

静かな境内に、女の足音が響き、Sとの距離が狭まっていった。

「匕匕匕匕匕匕匕匕イイ!」

笑っているのか、泣いているのか分からない女の声が、すぐ後ろまでせまっている。

(このままでは、つかまってしまう!)
そう思ったSの視界に、公衆トイレの明かりが見えた。
Sは、すぐさま一番奥の個室へ駆け込み、カギを閉めて息を殺した。

……ザッ、ザッ、ザッ……

すると足音はトイレの前を通りすぎていったのだ。

(助かった……のか)
だが油断は出来ない。女はまだ外に居るかもしれない。
しかし、足音が聞こえない安心感

この怖い話はどうでしたか?

コメント(33)

まぁ実際そんな姿みたら怖くなるけどね…人の異常な行動より怖いものはない。ただね…見下ろすくだりが…。 ↓実際には藁である必要はないみたいですよ、必要なモノが揃っていれば。ただ藁にもすがるというように何か因果関係があるのかもですねー。

この女性にとって、憎い相手を呪うのと、呪いを見てしまった相手を驚かせるのとどっちが大事だったんだろうか・・

読み上げ機能がちょっと危なっかしい

みられたら効力を失いますからね〜、

この女暇人だなw

トイレ行けなくなるやつだこれ泣

疑問1なぜ人は、恨む時に藁人形を使うのだろうか? (※すみません。この話に関係なくて)。 それが知りたい!!!

女の人は誰呪ってたんでしょうねぇ~

ランキング1位おめでとう。

「見ていた女」に関連した怖い話

話題のキーワード

サクっと読める短編の怖い話

人気の怖い話をもっと見る
怖い話 怖い話アプリをダウンロード 怖い話アプリをダウンロード