部屋に戻ったらあいつが居なくて、ヤバいと思った俺は即行で服を着て家に帰ろうとしたんだ。そしたら、


「帰るの?」


と後ろから声がして、振り返ると美羽が裸でたたずんでた。

「あぁ。用事、思い出したし…」

と、俺が言うと、


「そうなんだ」


と返してきた。

自分の顔が引きつってたのが分かった。

萎縮していたのもあるかもしれんが、あの時のあいつの目は、、、非常に恐ろしく見えた。

………

次の日、俺は彼女に別れてほしいと告げた。

理由はあえて言わなかったし、彼女も聞いてこなかった。

すぐ別れたのは軽率だった気もするけど、報復やら復讐やらは無かった。

何も無いのが怖いくらいに、何も無かった。

………

8年経った未だに、美羽と会うことは少し怖い。

思えばあの時、声を掛けられて俺が振り返ったのはトイレ方向だった気がする。

早い話、隠し部屋のある方向だ。

やっぱりあいつは気付いてたんだろうか?

俺が写真を撮ってる間も、もしかしたら俺の後ろにいたのかもしれない。











…来月、久々に同窓会がある。

しかもよりによって、あの女(美羽)が幹事らしい。

行くか行かないか俺は今も迷ってる。

まぁ、断ればいい話なんだけど、一応これが遺書代わりにでもなればなと(笑)

ちなみにコレ →「鏖」
一文字で「みなごろし」って読むらしい。

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コメント(2)

想像力つよめというか、多感というか、被害妄想つよめというか、ビビりというか。

ただの厨二病か宗教の人 まぁ関わらない方がいい人ですね

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