った。

おっかねーよ、ここマジで~…何出てくっか分かんねーぞ…

そして山道に入ってから30分以上は経っているであろう、すでに半分以上は登っている。
ここまで来たんだ、頂上まで行ってやる!
ひたすら懐中電灯頼りに真っ暗な山道を進んでいく俺たち。
そしてこの静けさ、時おり吹いてくる風とそれで揺れる木の枝の音。

登り始めてから1時間近くが経とうとした時、俺たちの前方から小さな光が見えてきた。

テレビ塔の灯りだ!やっと頂上にたどり着いた!
1人がテンションを上げるとそれに連られてはしゃぐ俺ともう2人。
そして塔から20mぐらい手前まで来た…
その時!

パシャッ! パシャ…パシャ…パシャ…

うわぁッ!

突然強い青い光に照らされた俺たち。
あまりの強い光に目を開けられません。
数秒後、目を凝らし見えるようになった俺たちがそこで見たものは…

髪が腰辺りまで長く顔の半分が焼けただれ真っ白い着物姿の女が俺たちを見下ろすようにすぐ頭上に現れたのだ。

しかも同じ姿の女が5人。

突然の光景に声が出ずその場で尻を落としてしまった。
腰を抜かした状態で後退む俺たち。(発狂寸前)
遊びだったはずの心霊スポットが本物の幽霊に出くわしてしまったのだ。

知り合いが逃げろーッ!と叫んだと同時に俺たちは立ち上がり下り道を思いきり走って逃げた。
気がついた時にはいつの間にか外灯のある町まで来ていた。
はっきり言ってテレビ塔に来たことを俺たちは後悔した。

が、それから数日後、あの山に出現した幽霊に関してある事実が判明した。

実はあの幽霊、本物そっくりに作られた人形だったのだ。

テレビ局が市役所に相談し、業者に頼んで作ってもらったのだ。

でもいったいなぜテレビ塔なんかに?

それはテレビ局の社員が月に一度電波の点検のため塔を訪れていた。
その時、塔の周辺にゴミや空き缶、なぜか花火の燃えカスなどが散乱していた。
この山には頂上からの眺めを楽しみで来る人たちが多く、そこで食事をとる人も少なくない。
そして大量の花火の燃えカスで草地一部焼け野原になっていた。
直接電波に影響はないのだがこのままだといづれ問題を起こすだろうとテレビ局は市役所へ相談し業者に本物そっくりの幽霊の人形を作ってもらうよう頼み込んだ。
3週間ほどで完成し人形の入った木箱(棺桶)を5体、市役所の裏の倉庫に届けられ、中を確認すると誰もが悲鳴をあげてしまうほどの迫力さ。

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コメント(3)

人形だと分かったらまた人が来ちゃうね。

心霊スポットには持ってこいだなちょうど

よけいに人来るわ!

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