なステンレスの湯船があった。
興奮のあまり思わず「おっ!ステンじゃん!」と声を出してしまった。
5人はゆったりと浸かれそうな大きさだ。
暫く使われていないのだが、締め切られた空間にあった為か保存状態がすこぶる良い。
あまりの美しさに見惚れてしまった。
多分、10分は居ただろうか・・・
そろそろ下の階へ行こうとスライドドアに手を掛けた。
「???」
何か違和感が・・・
「なんだ?」
匂い・・・?
嗅ぎ覚えのある淫靡な香りだ!
「サチコさんがいる!」と直感し湯船の方へ振り向いた。
「いた!!」
湯船の中に素っ裸のサチコさんが立っている。
やっぱりサチコさんは綺麗だった。
顔は勿論、大きくツンと上を向いた胸とピンクの乳輪&乳首、括れたウエスト、スラっと伸び均整の取れた足、その付け根にある整ったピンクのデルタ・・・
怖いなんてこれっぽっちも思わなかった。
多分、この廃墟に入る時からサチコさんのことを思い出していたので呼んでしまったのだ。
しかし、そんなことで現れるのは成仏出来ていない証拠だ。
私は訪ねた。
「何か言いたいことがある?」
「・・・・・・」
「言ってもイイんだよ」
「・・・サチコ・・・溺れたの・・・」
「お風呂で?」
「そう・・・誰もいなかったの・・・」
「介護の人は?」
「タオルを取りに行ったの・・・サチコ、白いタオルは嫌なの・・・」
「ピンクのタオルを取りに行ってくれたんだ」
「そう・・・そしたら・・・」
「そしたら?」
「死んだお父さんが・・・」
「お父さんが?迎えに来たのかい?」
「うん」
「苦しかった?」
「全然苦しくなかったけど・・・死んじゃった・・・」
「そう・・・お父さんには会えたの?」
「うん、毎日会えるよ」
「ふ~ん良かったね」
「うん」
「・・・そろそろ帰ろうね」
私は数珠を構え般若心経を唱えた。
サチコさんは徐々に透け・・・逝った。
綺麗で穏やかな顔だった。
余韻に浸っている場合ではない!
私は足早に階段を駆け下りた!
一刻も早く、この廃墟から出なければならない!
今の出来事で他の霊達も助けを求めて集まり出した!
流石に一体一体の相手は無理だ!
入って来た1階の目張りを突き破って外に出た。
俗世界の光は眩しく目が痛い位だった。
それよりも膝から着地してしまったので膝が痛い。
痛いが数珠を構え般若心経を唱える。
廃墟全体を包み込むイメージで・・・
廃墟全体から感じる「ざわざわ」した感じが

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コメント(12)

成仏させられる主人公はちょっとな

最後のシーンがダイハード風に再生される

常識のある人だ╰(*´︶`*)╯♡

なんやこりゃ

最後の1文が( ・∀・) イイネ!

色々盛った気がする

これ、廃墟探検系の話というより、サチ子さんの話になってるねw 外に連れ出してあげればよかったのに。それはできないのかな?

最後の1文が( ・∀・) イイネ!

最後でガン萎え

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