のスリッパ、肌着売り場から借りてきたピンクのブラとパンティを並べた。
1時間経ってもサチコさんは現れない。
「もうすぐ閉店の時間なのに・・・」と考えていると一人のナースがピンクグッズを手に取りながら言った。
「これサチコさん用で持ってきたのね。」
「・・・でもね・・・サチコさん2週間前に亡くなったのよ・・・」
「折角持ってきてくれたのに御免なさいね。」
・・・ショックだった。
たぶん死ぬまで外界に出ることは無いサチコさんの唯一の楽しみが「ピンク」だったに違いない。
もっと早くサチコさんのことを知っていれば色んなピンクグッズを着せてあげられたのにと思った。
衣料品業界に居ながら、これだけ嗜好が明瞭な、お客様に満足を与えられなかったことを悔やんだ。
どうして亡くなったのかも気にはなったが、そんなことを聞いたところで私などに教えてくれる筈も無いので聞かなかった。
ただ・・・
あの時の囁きがどうしても引っかかっていた。
その後、何度か外販で赴いたのだが「紫ばばあ」と「グリーンばばあ」と呼ばれる患者も居たことを余談として付け加えたい。
__________________
前置きがずいぶんと長くなってしまったが・・・
院内に侵入するときに上記の様な出来事を懐かしく思い浮かべながら目張りされ全く陽の入らない1階へ入った。
1m先も見えない。
すかさずマグライトを点け耳の横へ持っていく。
階段を発見したが、十数年ぶりに来た為か?少し狭く感じた。
1階から2階の踊り場を折り返すと2階の窓からの陽が入りマグライト無しでも問題は無い。
そのまま4階まで上がる。
東海廃墟探訪②でも書いたが私は上から順に攻めるタイプなので一度上がれる所まで上がるのだ。
一応、屋上にも行ったが鍵が掛かっており出ることが出来なかった。
4階を探索。
「そういやサチコさん4階に連れていかれたっけ・・・」
また思い出す。
無意識のうちにサチコさんの片鱗を探すが、ある筈も無い。
院内は大変明るく綺麗だ。
各窓に嵌った鉄格子が異様な雰囲気を醸し出してはいたが・・・
中通路にトイレと、その横に風呂を発見!
迷わず風呂へ!
病院廃墟探索で私の一番の楽しみが風呂なのだ。
扉を開けると六畳程の脱衣場があった。
その向こうに曇りガラスのスライドドア・・・
建物の中央付近にある風呂なので窓も無く暗い。
すかさずマグを点灯。
スライドドアを開けた。
十畳程のスペースに私の大好き

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コメント(12)

成仏させられる主人公はちょっとな

最後のシーンがダイハード風に再生される

常識のある人だ╰(*´︶`*)╯♡

なんやこりゃ

最後の1文が( ・∀・) イイネ!

色々盛った気がする

これ、廃墟探検系の話というより、サチ子さんの話になってるねw 外に連れ出してあげればよかったのに。それはできないのかな?

最後の1文が( ・∀・) イイネ!

最後でガン萎え

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