はなかったが、とても優しかった。
あれから私は一度も、あの老人には会えなかった。
ただ、時々ブランデーをあの場所に置いて帰ると、翌日には必ずなくなっていた。酒のお礼かどうか知らないが、その時は決まって魚がよく釣れた。
私は今、四国の学校で教鞭を握っているが、あの時の不思議な体験は忘れられない。
結婚する時、今の妻に「山の神様と酒を飲んだことがある」話したら笑われたので、私は証拠の品を見せてやった。
蓮の杯。
不思議なことに、あの花弁は枯れることなく、今でも瑞々しく夜露に濡れている。
いつか、またあの老人と楽しく酒を飲み交わしたいものだ。
この怖い話はどうでしたか?
コメント(15)
東京出身なのに九州の僻地の教師に採用されるのは不可解だがまあギリギリ解せる、が、地方公務員がその後四国に赴任するのはどう考えても無理がある。
バーカ
また一緒にお酒が飲めると良いですね! 素敵なお話しありがとうございました。
さ
怖くはないけどとてもステキな話。日本昔話にありそうですね!感動しました。
うんこりん
市房山の話ですかね〜〜 山神などは私は信じますよ
タツ
私も人吉球磨の者ですが、 この話は水上とかでしょうか?
さー
内容素敵〜〜
結梅
良き話じゃ。
びびり
これってもしかして人吉球磨地方の話ですか?私の地元ですが、渓流釣り鮎おいしいです。 とてもいいお話でした、物語みたいな、地元の話だったらうれしいです。
地元人
素敵ー!!
mmm