、それを知らせる電話がかかってきた日から、
舞台稽古中の彼等に次々と怪奇現象が襲いかかってきました。
舞台衣装の入れたカバンやタンスに水が溜っていたり、突然カツラが燃えたり、
右手右足を怪我をする人が続出したりしたのです。

『呪女十夜』の公演の初日をむかえました。
が・・・公演開始数時間前に、出演者が次々に倒れてしまったのです。
喋る事はできるのですが、金縛りのようになって身体が動かないのです。
初日は昼と夜の2回公演だったのですが、昼の公演はやむなく中止。
初日で関係者の方が多かったので、昼と夜の部を一緒にしてもらう事にしました。
「とにかくお札を集めよう」
彼等は近くの神社やお寺をまわり、あらゆる種類のお札を持ってきて、控え室に貼ってみました。
効果があったのでしょうか?なんとか夜の部の舞台を始める事ができました。

やはり、公演中にも次々に怪奇現象が起こりました。
人形が涙を流し、居るはずない黒子がもう一人居たり、
そして突然人形の右手が「ビシッ!」と吹き飛んだのです。
パニックになりそうになりながらも、出演者達は演技を続けました。

人形を棺桶に入れるラストシーンをなんとかむかえる事ができました。
が・・・棺桶に人形を入れた途端に底が抜け、人形の首、腕、足が千切れてしまったのです。
ドライアイスを焚いたような謎の冷気をもった白い煙が舞台一面に広がり、
夏だと言うのに信じられない冷気に開場が包まれました。
幽霊が怖いからって、途中で舞台を投げ出すわけには行かない。
稲川氏達は恐怖におののきながらも、決められた最終日までなんとか舞台公演を続けるのでした。

なんとか無事に全ての公演日数を終了できました。
もう二度とこの劇はしたくないなぁ・・・全ての劇団員達はそう思っていました。
とうぜん稲川氏も同じ気持ちでした。
しかし、最終公演を終え打ち上げをしている稲川氏達に、劇場からとんでもない依頼が入ります。
・・・追加公演をしてくれ。
次にここでやる事になっていた舞台が、突然中止になったのです。
・・・だから、今やっている舞台を追加公演してもらえないかと。
スタッフ・出演者達は大反対!
しかし、人形使い前野さんの異常なほど強い希望により、追加公演をする事になるのでした。
・・・前野さんのお父さんが急死されたのが、その次の日でした。

舞台がなんとか無事に終了した数ヶ月後、この話をTBSの番組『3時にあいましょう

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コメント(5)

神主は完全にとばっちりやんけ

人形の呪い怖い。

良く知られた話しですよ?

文章にずると非常に分かりやすい。 できれば続きを書いていただきたいです。 最近稲川さんの公演に行った時、生き人形にまつわる新たな話がありましたなぁ…

生き人形、無事寺に 納められたかなぁ…

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