都心のマンションに住んでいた時です。

私はそこから高校へ通い、何事もなく過ごしていました。

学校の最寄駅の駅近だったため、友達も頻繁に遊びに来ていました。

時には荷物を置いて、遊びに行ったり。

すごく楽しかった。

そんなある日です。
金縛りにあいました。

金縛りは、体の疲れや精神の疲れで引き起こされると、何度も見ていましたので

「あーあ。面倒くさいなぁ。害はないって言っても、結構苦痛なんだよな…。」

そう思った時です。

ふんだんにフリルの使われた、ノースリーブ、ミニスカート姿の老婆が現れたのです。

メイクは真っ赤なリップに、舞台化粧の様なつけまつげでした。

老婆は、ニヤッと笑った後。

奇声を上げながら部屋中を走り回り始めました。

「えっ?」

ものすごいハイテンションで、枯れ枝の様な手足を振り回しながら部屋中をグルグル駆け回りました。

フリフリのチュールスカートを何度も翻していました。

「嘘でしょ…他人のマンションで勝手が過ぎますよ…」

彼女はその後何度か現れましたが、私に何かをしてくる訳ではありません。

ただただ浮かれて、ハイテンションに叫びながら駆け回るだけ。

うんざりしましたが、まあ楽しそうだったので良しとします。

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