僕が4年生だった頃の話です。
当時僕の部屋は二階にあり、大きな窓があって開けると洗濯物を干したりするベランダに繋がっていました。
春から少しずつ夏に変わる頃にはその窓を開けて網戸にして寝ていました。
その日も網戸にして風の涼しさで寝ようとしていました。目を閉じて、あーそろそろ寝るなーと感じる一番気持ち良い時に急に金縛りに遭いました。それと同時に夢のようなものを見始めたのです。
その夢は主観で、僕は体育館くらいの大きい部屋の真ん中にいました。ドアも窓も無く、そして眩しいくらいに床も壁も天井も全て真っ白な部屋でした。
僕は夢の中で一通り全体を見渡し、そのあと改めて視線を前に戻しました。すると最初は居なかった女の子が20メートルくらい先に立っていました。真っ白な空間の中ですごく映える真っ赤なワンピースを着た、髪の長い女の子でした。少し距離があった事もあり、顔や表情は分からなかったのですが、右手に何か持っているのに気付きました。何を持ってるんだ?と思った瞬間、夢の中でまた金縛りに遭いました。その女の子から目が離せなくなりました。すると女の子はすーっと右手を前に出し、持っていた何かを親指と人差し指で摘んで見せてきました。目を凝らすと、それは糸でぶら下げられた鈴でした。なんで鈴なんて持っているんだ?と思っていると、ちりん。と女の子が優しく鈴を鳴らしました。金縛りは解けません。

ちりん。  ちりん。  ちりん。 ちりん。ちりん。ちりんちりんチリンチリンチリン!

初めは優しく鈴を鳴らしていた女の子は次第に鈴を強く鳴らしだし、最後には長い髪を振り乱しながら身体も激しく揺らし鈴を鳴らしていました。僕は怖くて金縛りを解こうと必死だったのですが解けません。そして、目が離せなくなっている女の子が突然髪を振り乱したまま僕に走ってきたのです。動けー!と頭の中で叫んでも身体は動かず、女の子は僕の目の前に来てガッと僕を睨みました。その子と目が合った瞬間、僕は目を覚ましました。

身体中が冷や汗でびしょびしょになっていました。肩で息をしながら、なんて怖い夢を見たんだ、と少しの間ベッドに座って窓から入ってくる風に吹かれていました。

すると窓の外、ベランダの方から


ちりん


間違いなく鈴の音でした。

僕は部屋から飛び出し、親の寝ている部屋に泣きながら逃げ込んだのを今でも鮮明に覚えています。この体験は一回だけで、その後何も無かったのですが、

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