ある地域に大人気なラーメン屋があった。

店構えは小さいが、繁盛し開店前はよく行列が出来ていた。

店主は相当な頑固モンで職人気質、ついでに強面だ。

大人気のラーメン屋には安易に夢を追う者の応募が後を絶たず、色んな奴が入ってきた。

脱サラしたリーマン、プラプラしてたフリーター、訳有りの中年女、大学生..

しかし大抵は店主の強烈な個性と厳しさに付いていけず、逃げ出した。

『アホタレが 
全てを捨てて、イチから人生を始める覚悟が出来てへん半端モン共が..』

店主はよくそう漏らした。

その中でAだけはどれだけ叱られても、キツくても逃げ出さず店主の背中を追いかけた。

Aには揺るがない夢があった。


『何時か独立して、日本一のラーメン屋を作ってやる!!』

この店の人気の秘訣は秘伝のスープにあった。

豚骨ベースのスープは味わい深く、不思議な後味が残り、皆このスープの虜になる。

Aには不思議な事があった。

店主は夜中に全員を帰した後、スープを一人で仕込む。

誰にもスープ造りの過程を絶対に見せない。

『お前等じゃ
イヤ、誰にもこのスープは再現出来ん。』

店主はよく部下に対し、自慢げに話した。

『ハァー流石は店主、拘りが半端じゃないぜ!』

Aはますます、店主の背中を追っかけた。

3年後、人気店に常在するのは店主とAだけになった。

次の日が定休日のある日、店仕舞をすると店主はAを近所の居酒屋チェーンに誘った。

Aは驚いた、自らのプライベートを一切見せない店主が自分を呑みに誘う。

コレまでは絶対に有り得ない事。

(俺を男として認めてくれたのか!)

Aは喜び、付いていった。
 
個室型の席に着き

疲れた顔の店主はビールを流し込み言った。

『Aよ、急な話やけど..
店継がんか?』

『えっ嘘でしょ?』

『ホンマや、ハッキリ言うてお前しかおらん。』

『.. それは嬉しいですけど、なんで急に??』

『ワシな..
疲れたんや。
ワシのやっとる商売なんかマトモなモンちゃう。』

『..マトモなモンちゃうて、繁盛してるしこの辺りで一番の人気店じゃないすか!』

『ちゃうんや
今まで誰にも言わんかったけどな..
もう限界や。
苦しくてお前に吐き出したぁてな。』

『..何がですか?』

『ウチのスープの秘密や
お前が後を継ぐんなら..
必ず、言わなアカン。』

『秘密って..
後を継ぐ話も
いき

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コメント(3)

ワロタ

マジでしょう。聞いたことあります。だからね、私は、絶対ラーメン食べません。

この話…マジ?

Oscut⑷π∅さんの投稿

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