映画や陰謀論に出てくるエイリアンはたいていけばけばしいか、驚くほど人間に似ている。
 進化論の素養があれば、よその星で生まれた異星人があんな外見にはならないだろうということくらいすぐにわかる。異星人はエリア51に秘匿されてなどいないし、性的ないたずらをするために人びとを片っぱしから誘拐してもいないだろう。
 異星人は存在しないのだろうか?
 いるかもしれない。それも定期的にこの地球に降下してさえいる可能性がある。

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 故フレッド・ホイル卿というイギリスの天文学者は、太陽の内部で起こっている核融合システムを解明したことで名高い。
 太陽の内部では水素原子核(=陽子)が超高圧のもとででたらめに飛び交っており、それらがときおり正面衝突して融合してしまう。その際に莫大なエネルギーが放出され、それが光となって地球を照らしている。

 周期律表を見ると、元素の陽子数が1増えるたびに名前が変わっているのに気づくだろう。1個の陽子は水素、2個はヘリウム、3個はリチウムである。核融合反応は最終的にもっとも安定な鉄元素にいたった時点で止まる。星はエネルギーを使いつくし、いままでため込んだ元素を宇宙空間へばらまく。超新星爆発である。

 これら星の残骸が星間空間で重力によって徐々に寄り集まり、中心に密度の高い反応炉を形成する。やがて高温に達した中心部では水素が飛び交い始め、宇宙に燦然と輝く灯台――恒星ができあがる。以上が星のライフサイクルである。われわれの原材料はもとをただせば、何億年も前に新星と化した星の死骸なのである。

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 彗星は炭素と氷でできた、宇宙を放浪する雪玉である。
 太陽系内をうろつく彗星はそのほとんどが、〈オールトの雲〉からやってきているというのが有力な説だ。
〈オールトの雲〉とは、太陽系の最外縁(太陽からおよそ40天文単位ほど離れた暗黒の宙域)を覆っているとされる、彗星の巣である。太陽系は無数の彗星に包囲されているわけだ。

 彗星たちは40天文単位(=60億キロメートル)という気の遠くなるような距離にあるにもかかわらず、なお太陽の重力に捉われている。普段は外縁をごくゆっくりと回転しているのだが、わずかな重力の摂動によってごくたまに、〈オールトの雲〉の軌道から逸れてしまう。迷子になった彗星は双曲線軌道をとり、われわれの住む内惑星近辺にま

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コメント(1)

科学者達がその可能性があるってちゃんと言えたらそれが凄い...

本宮晃樹さんの投稿

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