私の通っていた小学校の横には、昔あったお城の処刑場跡を鎮める為に造られたと言われる、神社がありました。

とても急で高く長い階段を上り切って、その上が祠になっているのですが、あまりに高いからか途中からは階段が二手に分かれていて、真っ直ぐ頂上へ向かう急な階段と、横に逸れて緩やかな傾斜でカーブを描いて頂上へ向かう階段があり、日中は運動部の人達が階段で体力強化の練習をしていたりするのですが、お参りに来ている人はほとんど見た事がありませんでした。

そこは、上に行けば行くほど大きな木が生い茂り、日中でも陽があまり当たらず、子供ながらにゾクッとする様な言い知れぬ雰囲気を感じる所で私はあまり好きではありませんでした。

ある夏休みの日にクラスメイト数名と小学校のプールで一緒に泳ぎ、そのまま何処かに遊びに行こうか?と言う話になりました。

すると、そのうちの1人(以下、T君とします)が「○○神社の祠の中って見たことある?」と言うのです。私を含め、他の子は皆首を横に振りました。するとその子が続けて「おじさんから聞いたんだけど、今日はあそこで祀られてる首狩り武者って呼ばれてる、お城の処刑人の命日で祠が空いてるって聞いたんだけど見に行かない?」と続けました。

夏休みでテンションの高かった私達は、ノリノリで「行く行く!」という事になりました。

しかし、長い長い階段を登るごとに真っ昼間だと言うのに辺りが暗くなり、冷んやりとした空気を感じだんだんと怖くなって来た私達は、最初のノリノリのテンションとは打って変わって、足取りがどんどん重く口数も少なくなっていきました。

そして、やっと祠が見える頂上に着いたときには、誰からともなく何人かは手を繋ぎ無言になっていたと思います。

そしてT君が「誰から見に行く?」と言っても、皆顔を見合わせるだけで行きたがらないし、聞いた本人もビビってるのが伝わって来ました。

結局、皆で一緒に覗きに行く事にし、横一列になって恐る恐る覗きこんだのですが、中には綺麗な刀が他に何も置かれていない祠の真ん中に紙垂(しで)と言われる白い紙がつけられ飾られているだけで、これだけか…なんて考えた瞬間に、1人の子が「何か聞こえた!!」なんて叫ぶものだから、皆で一目散に全力ダッシュして、やって来た階段の方向ではなく、祠の奥の山道に向かって走り出してしまいました。

そして、誰かが「ストップ!ストップ!もう走れないよー」と叫ぶま

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