この話を投稿してから後日談がありますので追記します
読んで頂けると嬉しいです

何十年ぶりだろうか、雛人形を飾るのは
大きな段飾りはひと仕事
だから毎年さぼって飾ることから逃げていた
今年は娘が久しぶりに帰国する
お雛様を出してみよう、初春の暖かい日にやっと納戸を開けた
つ~ん、とカビの臭いが散る
長い間、太陽にも当てていなかったお詫びにとお雛様を全て座敷に広げた
お殿様は変わらず、凛としたご様子に安堵しながら
「あかりをつけましょ、ぼんぼりに♪、…」口ずさみながら、幾分か心が軽くなる
お姫様を手に取りながら
違和感を覚える
こんなに髪の毛があったのかしら…ドクン、心臓が大きく揺れる
顔を覆う和紙をそろりと外し…手に取る
えっ、嘘、…
お雛様の髪が、確かに伸びている…それも片方だけ…
大慌てで三人官女も手に取る、やはり右だけ片方が伸びている…
何故、片方だけ…
再びドクンと大きく心臓が波打つ
生きている、確かにお雛様は生きている…
霊障で、人形の魂は生きていることは痛いほど感じているのに
お雛様を出すことに、ためらいがあったのは過去の傷のせいだろうか

数時間かけて、三人官女、五人囃子の一体一体に言葉を掛けながら、段飾りのお雛様を飾り終えた
娘はこの雛人形を見て気が付くだろうか…
この世で生きることができなかった小さな命
ずっと一緒に育っていたのだろうと、胸が締め付けられた
一卵性双生児として生まれた過去を話す時期なのだろうか

穢れ払い、災危よけ、守り雛として祀られるようになったという雛人形は
飾り物としての形式ではない、一生の災危をこの人形に身代わりさせるという
大きな深い意味がある

きっと共に大きく成長しているのだろう
それを伝えたくて
シグナルを送ってきたのだろう
声に出して呼んでみた
遠くに行ってしまったと思い込んでいた
名前を…


桃の花は花器から溢れるほどの優美な色彩を誇張する
七段の雛人形を正面から眺めていると、ゆらゆらと絡む白い影が
舞い上がった
初春の日


後日…
雛人形を飾ってから、毎日、櫛で髪をとくのが日課になりました
一週間ほどたった頃…
右側に伸びていた髪の毛が心持、短くなっていることに気が付き始めました
それは気のせいではなく確かに短くなっているのです

心霊写真でも体験したことがありますが
時間と共に消えていく現象、そのようなものなのかもしれません
相手に存在を伝える思いを遂

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コメント(5)

怖い!

人形大事にしてね!

後日談が恐いです、霊魂が使命を終えると 髪も短くなる現象は、深く考えれば怖い((・・)))))

哀しい、怖いより愛おしいです お雛様毎年出してあげて下さい

後日談が恐いです、霊魂が使命を終えると 髪も短るなく現象は、深く考えれば怖い((・・)))))

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