母が若い頃に祖母の実家に行く機会がありました。

母の祖母、つまり私からしたら曾祖母にあたる人に私はあったことがありません。

私からしたら遺影として存在する女性です。

曾祖母は祖母が十二歳の頃に病死していますから、母ですらあったことがない人です。

享年三十九歳。

その曾祖母の実家に行った時に事件はおこりました。

曾祖母の実家に久しぶりに訪ねた母や伯父(母の兄)や伯母(母の姉)たちは仏壇に手を合わせた後、まだ当時存命だった曾祖母の妹さんに曾祖母の若い頃の話を聞いていたそうです。

そこで曾祖母の生年月日が大正九年と判明し、おかしなことになりました。

曾祖母が亡くなったのが昭和十四年だったからです。

つまり享年三十九歳ではなく、享年二十歳になってしまい、祖母を八歳で出産したことになるのです。

勿論そんなわけはなく、誕生日が間違いだと伯父たちは言ったそうですが、そうすると目の前にいる曾祖母の一つ下の妹さんの年齢がおかしなことになりそうでした。

結局その場では結論がでず曖昧に流したそうですが、祖母にはなんとなく思い当たることがあったらしく自宅に帰った後、母や伯父たちに言ったそうです。

曾祖母は“替妻”だったのだろう、と。

替えた妻、つまり別の女性が曾祖母に成り替わっていたのだと話したそうです。

母たちからしたら驚愕する発想だったそうですが、祖母は亡くなった人が自分の母であることにかわりはないと話し、それ以上の詮索をきつく止めたそうです。

その為、今でも実家の遺影の女性がどこの誰だかわからぬまま、訪れた人たちを迎えています。

怪しげな笑顔と共に・・・。


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