蒼白い血管が浮き出ていたそうです。
また私の隣にある掛け軸は、何故か伏せるように下に落ちていたのです。


ことを知った若女将は、大女将と一緒に私の部屋にやって来ました。そして、話を始めたのです。

大女将 「昭和初期、この旅館はお忍び宿として有名で、不倫関係にある方や同性愛者(男性同士)の方などにひいきにしてもらっていた旅館でした。
その頃、不倫の末に無理心中をした男女がおり、男性は助かり 女性だけが亡くなるという悲惨な事件がこの部屋であった。
その時、見返り美人の掛け軸もそのまま、この部屋に掛かっていました。
この事件以降、お客様のような経験をされる方があとを絶たず、一度は蔵へ閉まった。

そうすると、毎年夏に同室に宿泊する男女のカップルが怪我をする事件が続出した。
掛け軸の祟りなのかもしれないと、有名なお祓い屋のとこで、1週間かけて護魔焚きをして供養もして、事件もおさまったので、また部屋にかけ始めました。
永年、おさまっていたのにまた、十年位前から起き始めた。その間は、この部屋を開かずの間としていたが、他の部屋の修繕などがあり、泣く泣くこの部屋を綺麗にしてまた、使い始めました。
恐らくは、未だに無理心中で若くして亡くなった女性の霊が、掛け軸に乗り移り、その不倫相手を夜な夜な捜し続けているのではないかと思います。あなたは、たまたまその相手に似ていたのかも知れません。

怖い思いをさせて、本当にすみませんでした。因みに、今の掛け軸の美人の顔はとても穏やかになった気がします。やっと、自分がこの世の物ではないこと、二度と相手に会うことが出来ないことを知ったのかもしれませんね。

これで当分の間は、お客様のような経験をする方は居なくなりますね。良かった、良かった。
次に出るのは、私が死んで若女将が大女将になった頃かもしれませんね。ハハハ。」

若女将「止めて下さいよ。縁起でもない。対処方法もまだ伺った事がないのに。」

大女将「貴方が似ていると言われたそうですが、貴方を守っている守護霊様がこの女性を諭したのかもしれないですね。
フツーは、取り憑かれたら正気じゃいれないですからね。あなたには、取り憑いてないから安心して下さい。良い経験をされましたね。」
そういうと、大女将は部屋を後にしました。
若女将も安堵していたようでした。

若女将「同じ経験をされた方は、後々に湖で事故による大怪我をされる方も居たようです。
でも、

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コメント(2)

お返事ありがとうございました。

興味深い話しで楽しめました。

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