これは、私が小学生の時の話です。
昔から霊感の強かった私は、よく街中などで霊を見かけたりしていました。
ある日の下校中。
私は本を読みながら、誰も通らないような道を歩いていました。そこが学校から家までの最短距離だったのです。
そして、数年前に家事があった空き家の隣を歩いていた時。
キィーーーン…
耳が痛くなるほどの耳鳴りが私を襲ったのです。
顔を顰め、そっちを見た私は固まってしまいました。
金縛りにでもあっていたのかも知れません。
そこのボロボロの2階で、中学生くらいの男の子がこちらをじーっと見下ろしていたのです。
周りには私以外誰もいなかったので、助けを求めることも、この男の子に誰かが気づいている、ということもありません。
男の子は何をするでもなく、じっと私を見下ろしているだけでした。
不思議と怖いと言った感情はなく、ただただぼーっと見つめていた、と言った方が正しいと思います。
男の子はこっちを見つめたまま、暫く停止していましたが、ふっと私に微笑みかけた後、気づくと男の子はいなくなっていました。
いついなくなったのか、どこに消えたのか、全然わからなかった私ですが、その時はハッと我に返ったあと走って家まで帰りました。
そして、2年後。
中学生になった私は、その家の前を通ることはなくなっていましたが、久しぶりにその家の前を通ったのです。
すると、酷い耳鳴りがしました。
取り壊しが決定していた家を、私はじっと見つめました。
すると、2階の窓にあの男の子が立っていました。
驚きましたが、また、何をするでもなくこっちを見つめる男の子。
私も見つめ返し、暫く時が流れましたが、気づいた時にはまた男の子はいなくなっていました。
そして1ヶ月後、その家の取り壊しの件はなくなり、今もその家は街に残っています。
今も、あの窓から男の子はこっちを見つめているのでしょうか?
この怖い話はどうでしたか?
コメント(3)
そうかもしれません… ですが、その家はまだあるし、取り壊しの話も出ていないみたいです
松々先輩
解体に携わった人に不幸がおこるのかな?
匿名
こわ
にに